シュトレンは、レーズン、オレンジピール、レモンピール、アーモンドなどの色とりどりのナッツやドライフルーツをたっぷり入れて焼き上げたクリスマス用のお菓子で、上には白い粉砂糖が振りかけてあります。白い粉砂糖におおわれた細長い形が、キリスト生誕で「おくるみ」に包まれたイエス・キリストの姿に似ていると言われ、ドイツではアドヴェントの期間中、薄く切ったシュトレンを食べながらクリスマスを待ちます。
美味しさの秘密はレーズン、アーモンド、オレンジなどが作り出す熟成の味覚。焼きたてよりも、時間が経った方がしっとりとしておいしいと言われています。
ドイツでは大きな都市の有名菓子店にも、小さな町のこじんまりとしたケーキ屋さんにも、それぞれ自慢のおいしいシュトレンがあり、多くの家庭でもホームメイドのシュトレンをアドヴェントの期間中に何度も焼いて、来客に出したり友人に贈ったりします。高級な材料がなかなか手に入らなかった頃にはクリスマスの特別豪華なお菓子として、一切れずつ味わって大切に食べられたのですが、最近はアドヴェントの期間中、食べたい時にどんどん食べるようです。ドイツのシュトレンは美味しさと質の良さで世界に知られるようになり、日本を含む世界各地に輸出されています。本場のシュトレンを食べると、日本のいわゆるフルーツケーキのイメージが一変します。日持ちするので、贈り物としても大変喜ばれる高級なお菓子です。一度、是非お試しください。
【シュトレンの種類】 シュトレンは、正式にはクリストシュトレン(Christstollen)と言います。ドイツ語のクリスマス(Weihnachten)を意味する、通称ヴァイナハツシュトレン(Weihnachtsstollen)とも呼ばれます。ドイツの「食品法」では、小麦粉100%に対して乾燥物(ナッツやドライフルーツなど)が最低60%含まれ、かつバター(乳脂肪分82%以上)が30%以上、純正バター(乳脂肪分100%)なら24.6%以上、マーガリンでは30.75%以上の乳脂肪分が含まれているものと規定されています。この規定に合わないものはクリストシュトレンまたはシュトレンと称することができません。
基本のシュトレンをアレンジし、特定の材料の名称をシュトレンの前に付けるための規定も決められています。
| 【シュトレンの種類】 |
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・ブッターシュトレン
(Butterstollen)
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バター(ドイツ語ではブッター)を40%(純正バターの場合は32.8%)含むシュトレン |
| ・マンデルシュトレン(Mandelstollen): |
アーモンド(ドイツ語ではマンデル)を20%以上含むシュトレン |
・モーンシュトレン
(Mohnstollen): |
モーン(ケシの実)を8%以上使用し、モーンクリームを渦巻き状に巻き込んでいるシュトレン |
・クワルクシュトレン
(Quarkstollen): |
クワルク(フレッシュチーズの一種)を10%以上使用したシュトレン |
・マジパンシュトレン
(Marzipanstollen): |
マジパンを中に入れて焼いたシュトレン。マジパンは30%以上使用していなければなりません。 |
ドレスナーシュトレン(Dresdner Stollen)
ドイツ各地には、それぞれの地方の特色をもつ○○○シュトレン、自慢のマイスター○○○が焼いたシュトレンなどがたくさんあり、それぞれ個性豊かなシュトレンが売られています。
ただし、シュトレン発祥の地ドレスデンの名称を冠したドレスナーシュトレンは、産地名称保護法により、ドレスデンで作られたものにしか認められません。ドレスデン以外の地域で作られたシュトレンがドレスナーシュトレンを名乗るには、その原料や製造法についてパン組合の検定試験を受けなければなりません。試験に合格すると、その証として楕円形の金の印章が与えられ、ドレスナータイプのシュトレン(Stollen nach Dresdner Art)の名前で販売することができます。
【シュトレンの歴史】
クリスマス菓子としてのシュトレンの歴史は古く、1329年にまで遡ることができると言われています。14世紀の文献には、パン屋の「組合」を認可してもらうかわりに「シュトレンという白い棒パン」を12月に司教に献上したとあるそうです。クリスマスのお菓子としては1427年にザクセン宮廷へ献上されたのが始まりで、当時の作り方ではバターや牛乳を加えず小麦粉とイースト、水のみで作られていたため、味気のないものでしたが、後にバターが加えられ、現在のようにしっとりとしたおいしいお菓子になりました。
【シュトレンフェスト】
1730年にはドレスデンの組合に属する100人のマイスターと助手が1週間かけて、1,800キログラムの巨大なシュトレンを作って皇帝に献上しました。8頭立ての馬車に乗せられて運ばれたシュトレンは、切り口が1.6メートルの太さでした。
これを記念して、ドレスデンでは現在も第2アドヴェントの前日(12月の第一土曜日)に「シュトレンフェスト(祭)」が催されています。3,000キログラムの巨大なシュトレンとともに、白の制服を着たマイスターがパレードを行います。この巨大なシュトレンは、長さ1.6メートルのシュトレンフェスト専用ナイフで1切れずつ切り分けられて、販売されます。売上げの一部は小児癌の基金などに寄付されるということです。
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