ドイツの食材
ドイツのクリスマス

クリスマス・マーケット
11月の最後の週末、ドイツでは全国のどこの町や村でも、その中心の広場にクリスマス・マーケットが現れ、大きなクリスマスツリーが飾られます。その数はドイツ全土で2,500を超えると言われています。日が暮れると、イルミネーションに包まれてキラキラと輝くクリスマス・マーケットはまるで夢の世界!クリスマスが近づくにつれて、ドイツは幻想的なマジカルランドに変わり、ドイツ全土がムーディな雰囲気に包まれます。

クリスマス・マーケットでは、シュトレン(Stollen)レープクーヘン(Lebkuchen)などのお菓子をはじめ、焼きソーセージ、ワイン、クリスマスツリーの飾り、キャンドル、子供のおもちゃ、クルミ割り人形などの木工品、革製品、ガラス製品などの屋台が並び、クリスマスプレゼントを探す人や、ツリーの飾りを買う人などで賑わいます。

ドイツで最初にクリスマス・マーケットが登場したのは1434年。当時はクリスマスの1日か2日間だけ、教会の周辺でのみ開かれていたそうですが、現在は11月の最後の週末からクリスマスイブまで、町によってはクリスマス後の年末まで開かれています。なかでも、世界一有名なのが、ニュルンベルグのクリスマス・マーケット(2005年は11月25日〜12月24日)で、世界最大規模のシュトゥットガルト(11月24日〜12月24日)、世界最古のドレスデン(11月24日〜12月24日)とともに、三大クリスマス・マーケットと呼ばれ、ドイツ国内はもとより、近隣諸国から観光バスでたくさんのツアー客が訪れます。日本からも、ドイツ各地の代表的なクリスマス・マーケットをめぐるツアーが組まれています。

各地のクリスマス・マーケットの紹介はこちら(マップ上の地名をクリック。英語版)。

どこのクリスマス・マーケットでも必ず登場するのが、レープクーヘン、ローストアーモンドや焼き栗、そして「ブラートヴルスト」(Bratwurst:焼きソーセージ)、「グリューワイン」(Glühwein:スパイシーホットワイン)です。グリューワインとは、赤ワインにレモンやオレンジピール、香料、砂糖、ハチミツなどを加えて温めたもの。お好みでラム酒などの強い酒をほんの少しだけ入れてもらうこともできます。

クリスマス・マーケットでは、グリューワインのマグカップを手に屋台を見てまわるのが定番です。各町のクリスマス・マーケットにはオリジナルのマグカップがあり、その年の年号が書かれています。飲み終わってマグカップを返却するとお金が戻ってきますが、気に入ったらそのまま持ち帰ることもできます。ドイツでは毎年このマグカップを集める収集家もたくさんいます。

アドヴェント・カレンダー
子供たちにとって、クリスマスの楽しみの1つが「アドヴェント・カレンダー」です。ドイツ語でアドヴェント(Advent)とは待降節、クリスマスを迎える準備をする期間のこと。アドヴェント・カレンダーは12月1日から、24日のクリスマスイブまでのカウントダウンを楽しむためのカレンダーです。サンタクロースや雪景色、クリスマスツリーなどの絵に、1、2、3・・と数字が書かれてあり、12月1日から毎日1つずつ番号の付いた窓を開けていきます。窓を開けると、毎日異なる宗教画や、クリスマスシーンの漫画のキャラクターなどが登場します。

子供たちに最も人気があるのは、お菓子屋さんなどで売っているアドヴェント・カレンダーで、毎日、窓を開けると中にはキャンディ、クッキー、チョコレート、ちょっとしたアクセサリーやおもちゃなどが入っています。チョコレートやキャンディを1個ずつ食べながら、「クリスマスまであと何日」と指折り数え、それが毎日の楽しみになります。今日は何?明日は?と、ワクワクする日々は、子供だけでなく、大人も楽しめるひとときを演出します。最近はいろいろ趣向をこらしたものも売られていますが、それぞれの家庭でオリジナルの布製カレンダーを手作りし、ポケットを付けて、お菓子やちょっとしたおもちゃを入れておいたりもします。ドイツのクリスマスには欠かせない一品です。

アドヴェント・クランツ(Advent Kranz)
11月最後の日曜日、つまりアドヴェントの最初の日曜日(第一アドヴェント)に用意するのがアドヴェント・クランツ(Advent Kranz)です。クランツとは冠の意味で、直径30〜40 cmのもみの木などの常緑樹の枝を丸く編んだリースに4本のキャンドルを立てます。花屋さんやクリスマス・マーケットでできあがったものを買うことができますが、多くの家庭ではお母さんが手作りし、食卓に飾られます。第一アドヴェントに家族全員が揃う朝食の時に、最初の1本目のキャンドルに灯りをともし、第二アドヴェントには2本目、第三アドヴェントに3本目と毎週日曜日に1本ずつ灯りをともしていき、クリスマスを待ち望みます。最後の1本はクリスマスの日にともされ、すべてのキャンドルの灯りがゆらいで、クリスマスを迎えます。
セントニコラウス(サンタクロース)の日
ドイツでは、12月5日の夜にサンタクロース(聖ニコラウス)がやってきます。片手にはすてきなプレゼントが入った大きな袋を、もう片手には悪い子に罰を与えるためのムチを持って現れると言われています。家々のドアをノックして、子供たちが良い子でいたかを尋ね、良い子にはプレゼントを与えます。

最近はプレゼントを交換するのはクリスマスの日に変わってきていますが、今でもドイツの子供たちは、5日の夜は自分たちの部屋のドアの前にブーツを置いたり、暖炉の前に靴下をつるして、眠りにつきます。6日の朝、目がさめたら、キャンディやチョコレートでいっぱいに膨らんでいることを期待して。。。ワクワクしながらも、身に覚えのある子供にとってはドキドキの一日なのです。

クリスマスシーズンの飲み物
【グリューワイン(Glühwein)】
この時期、ドイツの家庭ではそれぞれ、我が家のグリューワインを作ります。スーパーではグリューワイン用のスパイスや甘味料のセットをティーバッグに入れたものが売られており、それを買ってくる人も多いようです。

グリューワインの作り方はとっても簡単。今年のクリスマス・ホームパーティにはグリューワインで、ドイツのクリスマスの雰囲気を演出してはいかがでしょう。冬の団らんをおしゃれに彩ります。寒気がしたり、風邪をひきそうと思った時にも、心も身体もホッと温まるグリューワインをお試しください。(ワインは値段の手頃なものでかまいません。ワイン1本で、およそ6杯分のグリューワインができます。とりあえず、余ったワインを利用して一度試してみてもいいかもしれませんね。)

<準備するもの>
フルボディの赤ワイン1本、レモン1個、クローブ16個、シナモンスティック1本、砂糖(小さじ4〜6杯分)又はハチミツ

<基本レシピ>
・レモンを四つ切にし、その1つの皮の部分にクローブを突き刺しておきます。残りのレモンは薄くスライスします。
・大きめの鍋にワインを注ぎ、レモンと一緒にシナモンと砂糖を入れて、ゆっくりと温めます。
・沸騰させないように、気をつけてください。沸騰するとアルコール分がとんでしまいます。
・アルコールに弱い方は、アップルジュースや水を加えてください。(でも、飲み過ぎないように!)
・お気に入りのマグカップか耐熱グラスに注いで、お楽しみください。
・冷めた後は、電子レンジで温め直してもOK。

レモンの代わりにオレンジやオレンジジュースを使ったり、バニラビーンズを少々加えたり、お好みで自分流にアレンジしてみてください。


【ラムトプフ(Rumtopf)】
ドイツの家庭では特別なおもてなしの時のために、ラムトプフ(Rumtopf)を用意します。トプフとはポット、深鍋という意味で、ラムトプフはラム酒に漬けたフルーツマリネです。ラムトプフはクリスマス・ディナーのテーブルに鮮やかな彩りを添え、また、アイスクリームやクワルク(フレッシュチーズ)と一緒に食後のデザートにも利用されます。

ラムトプフを作ること自体は簡単なのですが、伝統的なドイツのラムトプフをおいしく味わうためには数ヶ月かかります。ですから、初夏にはアドヴェントやクリスマス用のラムトプフの準備にとりかからなければなりません。ドイツでは夏の暑いうちから、クリスマスに向けた準備がもう始まっているのです。

ラムトプフには特別なレシピはありません。いちご、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、桃(スライスしたもの)、チェリーやプラム(種をとったもの)、ブラックカラントなど、その年の夏から秋にかけて旬のフルーツをどんどん加えていくからです。鮮度の高いフルーツを選び、傷んだり、汚れたフルーツが混じっていないか、注意深く選り分けることが肝心です。

最初の分量の目安は、ラム酒1リットルに、約1キログラムのフルーツ、約400グラムの砂糖。まず、フルーツと砂糖を大きめのボウルに入れて一晩おき、なじませておきます。翌日、ラムトプフ専用のジャー(背が高い広口ビンで代用できます)にラム酒を入れ、そこにスプーンでフルーツを入れていきます。フルーツがラム酒の中に沈んだことを確認したら、重しに1枚か2枚の菓子皿を置き、耐油紙(クッキングペーパーで代用可)で口を覆って、ふたをした後、暗所で保管します。

夏が深まり、秋になるとともに、そのシーズンのフルーツと砂糖を上記の割合(500グラムのフルーツにつき200グラムの砂糖)で加えていきます。やさしくかき混ぜたら、またしっかりとふたをします(ラム酒は特に加えなくてもかまいません)。新しいフルーツを加えたら、そのフルーツが発酵するまで、少なくとも2週間はお待ちください。

クリスマスプレゼントに
ご家族や親しいお友だちへのクリスマスプレゼントに、手作りのビスケットはいかがでしょう?ドイツではおばあちゃん、お母さん、子供たちが一緒になって、ホームメイドのビスケットを作ります。おしゃれなジャーに入れるか、可愛らしいペーパーに包んで、箱に入れましょう。リボンでコーディネイトすればできあがり。あなたの優しさが伝わる、手作りビスケットです。

<材料>
薄力粉(380グラム、他に打ち粉用として少々)、おろししょうが(大さじ1)、ミックススパイス(小さじ1)、無塩バター(125グラム)、黒砂糖(175グラム)、溶き卵(中1個分)、メープルシロップ(大さじ4)

<レシピ>
・オーブンを190℃に予熱しておきます。
・薄力粉、おろししょうが、ミックススパイスを一緒にして、ボウルにふるい入れます。バターと黒砂糖を入れてよく混ぜます。砂糖の塊がなくなるまで、しっかり混ぜましょう(フードプロセッサーに2、3分かけてもできます)
・溶き卵とメープルシロップをよく混ぜた後、軽く打ち粉をした生地の表面にかけ、麺棒で5mmぐらいの薄さになるまで伸ばしていきます。
・クリスマスツリー用型を使って、型を抜き、静かに持ち上げて、耐油紙(クッキングペーパーで代用可)を敷いたベーキングトレイの上に乗せます。
・オーブンで10分〜12分ほど焼いた後、金網台の上に置いて冷まします。
・出来上がったビスケットに粉砂糖を振りかけてデコレーションし、金銀の玉を飾りましょう。子供たちも喜んでお手伝いします。

クリスマスシーズンの食卓に
そして、最後のお楽しみがクリスマス・ディナーです。ドイツではいろいろな肉に詰め物をする料理があり、カモ、ガチョウ、ウサギ、鹿、ローストチキンなどに、りんご、クリ、アーモンドなどを詰め、焼きソーセージ、赤キャベツ、ポテトダンプリング(団子)などのご馳走を添えるのが一般的です。ただ、地方によって、各家庭でクリスマス・ディナーの内容は異なります。北の地域ではウナギや鯉などの魚料理が多く食べられ、南になるほど鹿やウサギの料理が多くなるようです。

今月のレシピには「ローストチキン・アップルチェリー詰め」と「ハニー・スパイスケーキ」をご用意しました。「レタスのサラダ・ヨーグルトドレッシング和え」も添えて。詳しくはこちらをどうぞ。

参照