国際サッカー連盟(FIFA)会長、ジョゼフ・ブラッター氏は、10年前(1995年)に「未来のサッカーは女性の進出が目覚しいスポーツになるだろう」と発言していました。今、まさにそれが現実のものとなっています。
ドイツ女子サッカー選手のベストコンディションはもちろんトレーニングだけで培われるものではありません。トレーニングと栄養の整った食事のコンビネーションこそが、彼女たちの原動力となっているのです。そこで、「キック&クック」では彼女たちのパワーの源がどこにあるのか、そのパワーの秘密と、彼女たちの健康を保つためのお薦めレシピ、「フィットネス・レシピ」をご紹介します。
インタビュー1:ビルギット・プリンツ (Birgit Prinz) 選手
トップバッターとして登場していただくのは、2003年「女子サッカー・ワールドカップ・アメリカ大会」でドイツ代表チームの一員として優勝に大きく貢献したビルギット・プリンツ(Birgit Prinz)選手です。2003年、2004年、そして昨年2005年と3年連続でFIFAの女子世界最優秀選手に選ばれた、ドイツ女子サッカー界のエースです。
ビルギット・プリンツ選手は1977年生まれ、職業は理学療法士。1994年、16歳で初めてドイツ代表チームの一員としてカナダ戦に出場して以来、数々の国際試合で活躍。女子欧州選手権では4度の優勝を経験、2003年の女子サッカー・ワールドカップでは、全7試合中6得点を上げ得点女王に輝きました。また、2000年と2004年のオリンピックにも出場、共に銅メダルを獲得しました。現在「1.FFC -Frankfurt」(女子サッカークラブ・フランクフルト)に所属し、ドイツ国内リーグである女子サッカー・ブンデスリーガで活躍しています。
2003年には男子プロサッカーチーム、イタリア・セリエA(当時)のペルージャから移籍の要望があり、最終的に移籍は実現しなかったものの、ドイツ国内外で大きな話題を集めました。
プリンツさん、あなたの活躍を支えるパワーの秘密はなんでしょうか?
毎日のトレーニングと仕事、そしてプライベートな時間、これは本当に少ししかないんですが、これら全てを良い関係に保っていることでしょうか。もちろんトレーニングだけでは十分とは言えませんね。栄養のバランスがきちんと整った食事とトレーニングの組み合わせこそが、私の力を完全なものにしてくれています。
トレーニングのスケジュールはどのようなものですか?
トレーニングプログラムというものは特には作られてはいないんです。週に15時間、理学療法士として仕事をしています。そして週に3回、アイントラハト・フランクフルト(Eintracht/Frankfurt)チームの選手と一緒にトレーニングをして、さらに週に4回、午後ですが、所属チームである1.FFCのメンバーとトレーニングをしています。典型的な一日の流れでいうと、朝起きて、朝食を食べて、トレーニングに行くかあるいは仕事に行って、そしてお昼の食事となります。午後はまたトレーニングに出かけるという感じですね。そしてその間にもお断りのできない、いろいろなスケジュールが入ってくるんですよ。もちろんドイツ代表チームと遠征に出たりもしますしね。
アスリートとして高い運動能力を保つには食生活も大きく影響すると思いますが、毎日のトレーニングのため、あるいはトーナメント期間中などに何か特別な食事プランを立てられているのですか?
食事に関しての規則は私の所属クラブにも、ドイツサッカー協会にもありません。でも私独自にいろいろな食材をミックスしたものを摂って、ベストなコンディションを保っています。
毎日の食生活の中で、絶対欠かさないで食べているものは何かありますか?
果物が入ったヨーグルトは大好物で、毎日必ず食べています。それと、人工的な食品添加物が使われていないものをとるように心がけています。
いろいろな穀物類、野菜や果物、乳製品、肉類、これらをバランス良くミックスした食事が体には最も良いわけですが、この点で特に注意していることはありますか?
私はすでに出来上がったものを買ってきて食べるとか、温め直して食べるのではなく、食べる時間に合わせて調理したものを、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるようにしています。もちろん簡単にできるものですけどね。時間をかけて調理するという機会は本当に稀にしかないので。だから中華鍋で作る料理というのは私にとっては理想的なんですよ。
サッカーの選手生活のなかで、今までで一番心に残る素晴らしかった経験というのは何でしょうか?
まず頭に浮かぶのは、2003年のワールドカップ準決勝のアメリカ戦ですね。あの試合のドイツ代表チームのムードは最高でした。あれほど素晴らしいチームの雰囲気というのは、後にも先にも経験したことはありません。もちろん普段も素晴らしいチームですけど、あの時は本当に最高でした。
現在のスポーツ選手としての生活で気に入っていることと、不満なことはなんでしょうか?
気に入らないことと言うと、毎日が規則的に同じように流れていくことかしら。でもスポーツ選手であることで、いろいろな世界を見ることができるのは素晴らしい経験です。もちろんある程度限られてはいますけどね。普通だったら、そう簡単に知り合うこともできないような興味深い人たちと知り合う機会に恵まれますしね。
引退した後の生活はどのようなことをしたいと考えていらっしゃいますか?
現在27歳で、正直なところ、現役生活も最後の段階に近づいていると思っています。将来についてまだ具体的には考えていませんが、なんらかの形でスポーツの世界に関わっていければうれしいなと思っています。
最後に女子サッカー選手をめざす若い皆さんに、どうしたら成功できるかアドバイスをお願いできますか?
選手として成功するということは、難しくもあり、やさしいことでもあります。先ず大事なことは、サッカーを楽しみながらするということですね。これは本当に大事なことですよ。そして第二にはトレーニングです。一にも二にも三にも練習、その次に本人の才能と信念を持つことですね。最後に実戦で持っている力を十分に発揮することができれば最高ではないでしょうか。
ビルギット・プリンツ選手お薦めの『フィットネス・レシピ』
ビルギット・プリンツ選手のお薦め『フィットネス・レシピ』は、良質のタンパク質を多く含み、ビタミンB1の宝庫である豚肉を使った料理、「豚ヒレ肉のピリ辛炒め」です。インタビューにもありましたように、中華鍋で簡単にできる料理です。是非お試しください。
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