ドイツの食材
FIFA ワールドカップ・ドイツ大会

FIFA ワールドカップ・ドイツ大会に向けて!
4年に一度のサッカーの祭典、「ワールドカップ・ドイツ大会」がいよいよこの6月に開催されます。ワールドカップは6月9日ミュンヘンで行われるドイツ対コスタリカ戦で開幕、7月9日ベルリンでの決勝戦まで、世界から予選を勝ち抜いてきた32ヶ国のチームによって、ドイツ国内12都市で熱い戦いが繰り広げられます。

日本は「グループF」でブラジル、クロアチア、オーストラリアと戦うことが決まり、日本戦の開催都市も決定しました。観戦チケットの抽選販売も始まり、今からジーコジャパンの活躍が楽しみです。

日本代表チームの試合日程と開催都市

6月12日(月) 15:00
対オーストラリア
カイザースラウテルン
Fritz-Walter-Stadion
フランクフルト空港駅から新幹線ICEで約1時間半。シンボルは神聖ローマ帝国皇帝バルバロッサの居城。別名赤い悪魔「1.FCカイザースラウテルン」のホームタウンです。

6月18日(日) 15:00
対クロアチア
ニュルンベルク Frankenstadion
フランクフルト空港駅からICEで約2時間10分。旧市街地を城壁が囲み、中世の大都市の面影を今に残します。クリスマーケットや焼きソーセージも有名です。

6月22日(木) 21:00
対ブラジル
ドルトムント Westfalenstadion
フランクフルト空港駅から新幹線ICEと特急ICで2時間40分。ビールの国ドイツの中でも、ドルトムントはビールとサッカーの町として特に有名です。


この1ヶ月間の男たちの熱い戦いに世界中が一喜一憂、熱狂と興奮そして感動の渦と化し、地球規模で「ドイツ」が話題の中心となります。サッカー大好きなドイツ人にとって、地元でのワールドカップ開催はまさに長年の夢。その熱狂ぶりは開幕が近づくにつれ爆発的になることは容易に想像することができ、開催期間中はドイツ全土がお祭りのようになることでしょう。

日本でも『日本におけるドイツ年』(2005年4月〜06年3月)プロジェクトとして、全国各地でさまざまな催しが行われ、ドイツの文化や飲食料品に対する関心がこれまで以上に高まっています。ワールドカップでさらに盛り上がることが期待されます。

今月から、ドイツの食材とサッカーをいろいろな角度から分析し、様々な情報と共にご紹介いたします。

ドイツの食材とゴールデン・ゴール!
サッカー競技が私たちに興奮と感動を与えるのは、縦105m x 横68mというあの広いフィールドを、選手たちが縦横無尽に走り回り、プロフェッショナルな技をもってプレーすることにほかありません。選手たちは毎日のトレ−ニングだけで彼らの体力を維持しているのでしょうか?もちろんそれだけではなく、瞬発力、持久力そして筋力等、彼らのすべての力は毎日の食事から摂取される栄養素によっても大きく左右され、維持されています。スポーツ選手たちは毎日自分たちが食べている食物がどのような成分からできていて、体内でどのような働きをするか、そして自分たちにはどのような栄養素が必要なのかを十分に認識し、細心の注意を持ってバランスのよい食生活を送っているのです。

ドイツでは男子プロサッカーだけでなく、女子サッカーも盛んです。2003年に開催された「女子サッカー・ワールドカップ・アメリカ大会」ではドイツチームが優勝しました。彼女たちは男子サッカー選手と違い、アマチュアとして選手活動を送り、一人何役もこなしながら、世界No. 1となりました。いろいろな職種の仕事に従事し、サッカーのトレーニングだけでなく仕事や学業、そして家事を日々こなし、さらにはほんの少し残されたプライベートな時間をも有意義に活用しながら、心身ともにベストコンディションを維持するように、自己管理しています。

キック&クック
国際サッカー連盟(FIFA)会長、ジョゼフ・ブラッター氏は、10年前(1995年)に「未来のサッカーは女性の進出が目覚しいスポーツになるだろう」と発言していました。今、まさにそれが現実のものとなっています。

ドイツ女子サッカー選手のベストコンディションはもちろんトレーニングだけで培われるものではありません。トレーニングと栄養の整った食事のコンビネーションこそが、彼女たちの原動力となっているのです。そこで、「キック&クック」では彼女たちのパワーの源がどこにあるのか、そのパワーの秘密と、彼女たちの健康を保つためのお薦めレシピ、「フィットネス・レシピ」をご紹介します。

インタビュー1:ビルギット・プリンツ (Birgit Prinz) 選手

トップバッターとして登場していただくのは、2003年「女子サッカー・ワールドカップ・アメリカ大会」でドイツ代表チームの一員として優勝に大きく貢献したビルギット・プリンツ(Birgit Prinz)選手です。2003年、2004年、そして昨年2005年と3年連続でFIFAの女子世界最優秀選手に選ばれた、ドイツ女子サッカー界のエースです。

ビルギット・プリンツ選手は1977年生まれ、職業は理学療法士。1994年、16歳で初めてドイツ代表チームの一員としてカナダ戦に出場して以来、数々の国際試合で活躍。女子欧州選手権では4度の優勝を経験、2003年の女子サッカー・ワールドカップでは、全7試合中6得点を上げ得点女王に輝きました。また、2000年と2004年のオリンピックにも出場、共に銅メダルを獲得しました。現在「1.FFC -Frankfurt」(女子サッカークラブ・フランクフルト)に所属し、ドイツ国内リーグである女子サッカー・ブンデスリーガで活躍しています。

2003年には男子プロサッカーチーム、イタリア・セリエA(当時)のペルージャから移籍の要望があり、最終的に移籍は実現しなかったものの、ドイツ国内外で大きな話題を集めました。

プリンツさん、あなたの活躍を支えるパワーの秘密はなんでしょうか?

毎日のトレーニングと仕事、そしてプライベートな時間、これは本当に少ししかないんですが、これら全てを良い関係に保っていることでしょうか。もちろんトレーニングだけでは十分とは言えませんね。栄養のバランスがきちんと整った食事とトレーニングの組み合わせこそが、私の力を完全なものにしてくれています。

トレーニングのスケジュールはどのようなものですか?

トレーニングプログラムというものは特には作られてはいないんです。週に15時間、理学療法士として仕事をしています。そして週に3回、アイントラハト・フランクフルト(Eintracht/Frankfurt)チームの選手と一緒にトレーニングをして、さらに週に4回、午後ですが、所属チームである1.FFCのメンバーとトレーニングをしています。典型的な一日の流れでいうと、朝起きて、朝食を食べて、トレーニングに行くかあるいは仕事に行って、そしてお昼の食事となります。午後はまたトレーニングに出かけるという感じですね。そしてその間にもお断りのできない、いろいろなスケジュールが入ってくるんですよ。もちろんドイツ代表チームと遠征に出たりもしますしね。

アスリートとして高い運動能力を保つには食生活も大きく影響すると思いますが、毎日のトレーニングのため、あるいはトーナメント期間中などに何か特別な食事プランを立てられているのですか?

食事に関しての規則は私の所属クラブにも、ドイツサッカー協会にもありません。でも私独自にいろいろな食材をミックスしたものを摂って、ベストなコンディションを保っています。

毎日の食生活の中で、絶対欠かさないで食べているものは何かありますか?

果物が入ったヨーグルトは大好物で、毎日必ず食べています。それと、人工的な食品添加物が使われていないものをとるように心がけています。

いろいろな穀物類、野菜や果物、乳製品、肉類、これらをバランス良くミックスした食事が体には最も良いわけですが、この点で特に注意していることはありますか?

私はすでに出来上がったものを買ってきて食べるとか、温め直して食べるのではなく、食べる時間に合わせて調理したものを、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるようにしています。もちろん簡単にできるものですけどね。時間をかけて調理するという機会は本当に稀にしかないので。だから中華鍋で作る料理というのは私にとっては理想的なんですよ。

サッカーの選手生活のなかで、今までで一番心に残る素晴らしかった経験というのは何でしょうか?

まず頭に浮かぶのは、2003年のワールドカップ準決勝のアメリカ戦ですね。あの試合のドイツ代表チームのムードは最高でした。あれほど素晴らしいチームの雰囲気というのは、後にも先にも経験したことはありません。もちろん普段も素晴らしいチームですけど、あの時は本当に最高でした。

現在のスポーツ選手としての生活で気に入っていることと、不満なことはなんでしょうか?

気に入らないことと言うと、毎日が規則的に同じように流れていくことかしら。でもスポーツ選手であることで、いろいろな世界を見ることができるのは素晴らしい経験です。もちろんある程度限られてはいますけどね。普通だったら、そう簡単に知り合うこともできないような興味深い人たちと知り合う機会に恵まれますしね。

引退した後の生活はどのようなことをしたいと考えていらっしゃいますか?

現在27歳で、正直なところ、現役生活も最後の段階に近づいていると思っています。将来についてまだ具体的には考えていませんが、なんらかの形でスポーツの世界に関わっていければうれしいなと思っています。

最後に女子サッカー選手をめざす若い皆さんに、どうしたら成功できるかアドバイスをお願いできますか?

選手として成功するということは、難しくもあり、やさしいことでもあります。先ず大事なことは、サッカーを楽しみながらするということですね。これは本当に大事なことですよ。そして第二にはトレーニングです。一にも二にも三にも練習、その次に本人の才能と信念を持つことですね。最後に実戦で持っている力を十分に発揮することができれば最高ではないでしょうか。

ビルギット・プリンツ選手お薦めの『フィットネス・レシピ』

ビルギット・プリンツ選手のお薦め『フィットネス・レシピ』は、良質のタンパク質を多く含み、ビタミンB1の宝庫である豚肉を使った料理、「豚ヒレ肉のピリ辛炒め」です。インタビューにもありましたように、中華鍋で簡単にできる料理です。是非お試しください。

豚ヒレ肉のピリ辛炒め
ドイツ食材・一口情報 豚肉
ドイツ食材・一口情報 豚肉  豚肉は中世の頃からドイツ人の食卓に欠かせない、重要な食材の一つとされています。ドイツの豚飼養頭数はおよそ2,650万頭(2003年)、EUのなかでも最大の規模です。脂肪分の少ない豚肉を食べたいという消費者の要望に応えて、1900年代中頃から近代的な飼育方法が導入され、脂肪分の少ない豚が飼育されるようになりました。以前に比べると、脂身が約50%近くカットされています。ドイツの一般消費者の間では、豚肉は脂肪分の少ない食肉としてイメージされるようになっています。

ドイツ人は豚肉を好んで食べます。年間消費量は440万トン(2001年)、フランスやイタリアの220万トンの2倍の量です。1人あたりで換算すると、ドイツ人の年間豚肉消費量は53.6kg。日本でも豚肉の消費量が年々増えていますが、2004年時点で1人あたり12.1kgであることと比較すると、いかに豚肉がドイツ人に好まれているかよくわかります。



それだけに、ドイツにはさまざまな豚肉の調理法が存在し、ステーキのように焼いていろいろなソースをかけたものや、グーラッシュのように煮込んだもの、オーブンで焼いたもの(スペアリブのハーブ焼き豚ヒレ肉と野菜のグラタン)、さらには挽き肉を使った料理など、多種多様なメニューが食卓を賑やかにしています。

栄養素の面から見ても、豚肉は肉類の中でもとりわけ良質のタンパク質を持ち、血中のヘモグロビン形成のために必要な鉄、リン、カリウムなどのミネラル分を豊富に含む貴重な食材といえます。鉄は酵素の成分として酸素を活性化させ、貧血を予防したり、血行をよくする働きがあります。リンは骨や歯を作り、神経や筋肉の機能を正常に保つ働き、カリウムは細胞内外の浸透圧を維持するほか、ナトリウムによる血圧上昇を抑制します。

さらに豚肉の栄養特性として、ビタミンB群を豊富に含むことがあげられます。特に脂肪分の少ない部位(ヒレ、もも)のビタミンB1含有量は、牛肉や鶏肉の約10倍にものぼります。ビタミンB1は、ご飯やパンに含まれる糖質の分解を助け、体内の栄養素の代謝を円滑にするために重要な働きをします。また、脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能を維持する働きもあります。不足すると、集中力低下、疲労感、倦怠感、また筋肉痛や関節痛などの症状が現れます。

豚肉はサッカー選手などのアスリートだけでなく、老若男女を問わず、私たちの健康に不可欠な栄養成分を供給してくれる重要な食材です。

※リンクは「ドイツ料理のレシピ」でご紹介中の料理です。

食肉の成分

食品(100g中)
エネルギー
タンパク質
脂質
炭水化物
亜鉛
ビタミンB1
Kcal
g
mg
豚肉
肩ロース
226
17.8
16
0.1
0.5
2.9
0.66
ヒレ
115
22.8
1.9
0.2
1.1
2.1
0.98
ばら
386
14.2
34.6
0.1
0.6
1.8
0.54
もも
148
21.6
6.0
0.2
0.7
2.1
0.94
鶏肉(若鶏)
もも肉(皮なし)
116
18.8
3.9
0.0
0.7
2.0
0.08
胸肉(皮なし)
108
22.3
1.5
0.0
0.2
0.7
0.08
ささみ
1.5
23.0
0.8
0.0
0.2
0.6
0.09

資料:科学技術庁資源調査会・五訂日本食品標準成分表

参照