ドイツの食材
FIFA ワールドカップ・ドイツ大会 2

キック&クック
ドイツ女子サッカー選手のベストコンディションはもちろんトレーニングだけで培われるものではありません。トレーニングと栄養の整った食事のコンビネーションこそが、彼女たちの原動力となっているのです。

そこで、「キック&クック」では彼女たちのパワーの源がどこにあるのか、そのパワーの秘密と、彼女たちの健康を保つためのお薦めレシピ、「フィットネス・レシピ」をご紹介しています。

今月ご紹介しますのは、ドイツ代表チームのメンバーとして数々の優勝経験をもち、その一方でスポーツ科学を専攻の学生でもあるレナーテ・リンゴー選手とお仕事が職業軍人というケルスティン・シュテゲマン選手です。

インタビュー2:レナーテ・リンゴー(Renate Lingor)選手

レナーテ・リンゴー選手は1975年生まれの30歳。

スポーツ科学専攻の学生です。1995年10月のドイツ対スロバキア戦でドイツ代表としてデビュー。その後1995年、2000年、2005年の女子欧州選手権優勝、2003年の女子サッカー・ワールドカップ優勝と、常にドイツ代表チームのイレブンの一人として活躍、現在サッカー選手としての円熟期を送っていると言えます。2000年のシドニー・オリンピックでは、フリーキックでゴールを決め、ドイツ代表チームを銅メダルに導いたのも彼女でした。

「1.FFC -Frankfurt」(女子サッカークラブ・フランクフルト)のメンバーとして女子サッカー・ブンデスリーガ(ドイツ国内選手権リーグ)でも活躍、チームの優勝に貢献しています。


失礼ですけど、リンゴーさんは、ドイツ代表チームではもう「古株」ですよね。どうしてこれほど長い間、サッカー選手としてベスト・コンディションを保つことができるのですか?何か食事に秘密でもあるのでしょうか?

毎日の食事は、私たちサッカー選手にとって、非常に大切です。私は食事の時にたくさん野菜を食べるようにしています。肉類でしたら鶏肉が好みですね。何しろいっぱい食べるのが好きなんですよ。食事をしっかり食べて、間食をしないこと。ただ、いつでもどこにいてもコーヒーは欠かしません。

リンゴーさんにとってバランスのよい食事を摂るということは、どのくらい重要ですか?

すごく重要です。それがとても重要なことだということを、これまでの選手生活で身をもって勉強しました。バランスの良い食事をとっている人たちだけが、自身の技力を発揮できると思っています。

ドイツ代表チームで出される食事と、ご自分の好みの食事の違いはありますか?

チームで出される食事は、日替わりでいろいろなメニューが出てきますよね。それに栄養のバランスもよく考えられています。すごく忙しいもので、今のところ自分で食事を作る時間はなかなかないんですが、誕生日などには友人を招いて手料理でもてなします。皆、美味しいって喜んでくれましたよ。

お料理はどこで覚えたのですか?

大半は母が作っていたのを見て覚えたかしら。母はよくチキンブイヨンをいろいろな料理に使っていました。でもそれだけじゃなくて、もちろん私自身何冊か、お料理の本を持っています。

リンゴーさんのお薦めレシピは鶏肉を使ったお料理ですね。鶏肉のどこが良いのでしょうか?

スポーツ選手として自分の食事に気をつけていますが、自分が好きなものを美味しいと感じて食べることが重要だと思っています。そうなると鶏肉が一番いいんですよ。肉類は栄養素のバランスがすごく良くて、良質の蛋白質や、ビタミンB群、またマグネシウムや鉄のような無機質が簡単に摂れる食材なんです。それに手早く簡単に調理できるってことも魅力ですよね。

今日までのサッカー選手生活の中で一番すばらしかった瞬間はいつでしたか?

それについては、迷うことなくお答えすることができます。シドニーでのオリンピックでした。このオリンピックで私はドイツ代表イレブンのレギュラーの座を確定的にしましたし、フリーキックで銅メダルを獲得することもできました。オーストラリアのムードは最高で、アテネよりも良かったと思います。それからアメリカでのワールドカップも忘れがたいものですね。

過去10年を振り返って大きく変わったことはありますか?

私たちドイツ代表チームはとても強くなりましたし、チームとして成功してきました。と同時にマスコミに取り上げられる機会も増えました。時々、競技場ではない場所で、私だって気づかれるんですよ。そしてほんの少しですけど残念なことは、私たちが勝つということが当たり前のように思われるようになってしまったことですね。

男子サッカー選手の場合、学生生活が終わった時がプロ転向への決断の時となるわけですが、あなたは卒業したら、何をなさろうと考えていますか?

そうですね。一番やりたいことは、スポーツ関係の団体もしくは協会で広報活動の仕事ができればうれしいですね。例えば「NOK」(Nationales Olympisches Komitee für Deutschland)・ドイツオリンピック委員会とか、あるいは選手育成機関のような協会ですね。又は、海外に出かけるような仕事で、いろいろな国々の人や文化に触れてみるようなこともしてみたいです。

レナーテ・リンゴー選手お薦めの『フィットネス・レシピ』

レナーテ・リンゴー選手のお薦め『フィットネス・レシピ』は、チキンとドイツ・モッツァレラチーズのサンドイッチです。ジューシーなチキンの間にもハムとチーズがサンドされていて、チーズに多く含まれる栄養素・カルシウムも一緒に摂れるよう考えられています。ソフトな口当たりで、ローカロリーかつ栄養満点のサンドイッチをお試しください。

チキンとドイツ・モッツァレラチーズのサンドイッチ

若鶏の胸肉(皮なし)には、100g中タンパク質約22g、脂質1.5g、鉄0.2mg、亜鉛0.7mgが含まれています。30代成人女性のタンパク質必要量は1日平均40gと言われていますので、鶏肉にはタンパク質がいかに多く含まれているか、わかります。




インタビュー3:ケルスティン・シュテゲマン選手(Kerstin Stegemann)

ケルスティン・シュテゲマン選手は1977年生まれの28歳、職業軍人です。趣味は乗馬、水泳とのこと。

1995年からドイツ代表メンバーに入り、100試合以上の国際試合にドイツ代表イレブンのメンバーとして出場。たゆむことのないファイティング・スピリッツでドイツ代表チームを支えてきました。2003年の女子サッカー・ワールドカップ、3度の女子サッカー欧州選手権等、数多くの優勝経験をもち、2度のオリンピックでの銅メダル獲得にも貢献しました。

「FFC -Heike Rheine」(女子サッカークラブ−ハイケ・ライネ)に所属、活躍している選手です。


シュテゲマンさんが、ベスト・コンディションを保っておられる秘密はなんでしょうか?

それは一言で答えるのは難しい質問です。あえて言えば、十分に運動して、バランスの整った食事をとるということですね。それと、できるだけ新鮮な食材を選んで食べるようにしています。私にとって季節の食材とか、地の食材というのはとても重要なことなんです。地の物なら、輸送に時間がかかっていないですから、新鮮なものが食べられるというわけです。

バランスのとれた食事というのはどのようなものでしょうか?

私にとっては十分なタンパク質とたくさんのサラダ、そして3リットルの水分です。たとえばミネラルウォーター、お茶そしてアップルジュースソーダといったものを、毎日3リットル飲んでいます。

サッカー選手として、どのようなことに気をつかっておられるのですか?

サッカーというスポーツはさっと反対方向へ走ったり、ぱっと止まったりと、瞬発力が要求されるスポーツです。それにはカルシウムをしっかり摂って、丈夫で強い骨を作ることが必要です。カルシウムを一番多く含んでいる食品は乳製品ですので、パンにチーズをのせたり、はさんだりして食べています。美味しいですよ。

でもどうしてチーズなんでしょうか? 他の食品でもカルシウムは摂れますよね。

ドイツチーズは本当に種類が豊富で、150種以上あるんですよ。そしてどんな料理にも合いますからね。パンにはもちろんですが、オーブン料理やデザート、それにおやつにもいいですよ。

朝食は、食事の中でも重要な位置にあるものだと思いますが、ご自身の朝食のお皿にはどんなものがのっているのでしょうか?

ほとんど毎日といえるほど、朝はチーズをのせたパンを食べています。あとは果物、そしてハチミツかココアを入れた牛乳を一杯、もちろんヨーグルトも食べます。

辛口で臭いがきついチーズ、マイルドなセミハードタイプ、クリーミーなウォッシュタイプ、あるいはナッツの香りのするハードチーズ、あなたのお気に入りのチーズはなんでしょうか?

そうですね、チーズはやはりマイルドなものが好みです。私のお気に入りを一つあげるとすれば、熟成の若いドイツ・ゴーダチーズと言っていいでしょう。

現在28歳でいらっしゃいますが、すでに数多くの優勝経験をお持ちです。選手生活の中で、これから達成したいと考えられておられることはありますか?

まず、女子サッカー・ワールドカップ・中国大会(2007年)にディフェンディングチャンピオンとして出場し、前回2003年アメリカ大会での優勝という地位を守り、連覇したいですね。それから2008年のオリンピックで表彰台の中央に立つことです。

ドイツ国内において、若い女子サッカー選手がトレーニングをしているのを度々見られると思いますが、彼女たちに対してどのような考えをお持ちですか?

少女のサッカーチームの数が本当に多くなりましたが、趣味としてのサッカーに留まっています。もしサッカーの才能があって、将来ドイツ代表チームに入りたいと考えるようでしたら、12~14歳ぐらいまでは少年サッカーチームで練習する方が良いと思います。私自身も12歳まで少年サッカーチームにいました。女子サッカーチームに入れる年齢になるまで、つらく大変だったことをよく覚えています。サッカーをやめて乗馬だけにしようと思った時もありました。

もしご自分で女子サッカー界を改革できるとしたら、どんな点を改革したいと思いますか?

女子サッカーがアマチュアスポーツではなくなってくれると、うれしいですね。女子のプロサッカーリーグが誕生するのが夢です。その夢に向かって、自分でできることを進めていきたいと思っています。

ケルスティン・シュテゲマン選手お薦めの『フィットネス・レシピ』

ケルスティン・シュテゲマン選手お薦めの『フィトネス・レシピ』は、インタビューでもお話しのあったマイルドなチーズを使ったキッシュです。チーズのみならず、ザワークラウトも乳酸発酵で作られるアルカリ食品でヘルシーな食材の一つです。チーズとザワークラウトの絶妙なる相性をお楽しみください。

アルゴイ産エメンタールとザワークラウトのキッシュ
ドイツ食材・一口情報 チーズ
チーズの主成分は脂肪とタンパク質で、カルシウムや、ビタミンA・B群なども豊富に含む栄養価の高い食品です。そのまま味わうことはもちろんですが、さまざまな調理法によくマッチしますから、世界中のいろいろな食品と調理され、愛される食材の一つです。特にドイツはチーズのパラダイスと言えるほどチーズの種類が豊富で、質の高いチーズをいろいろな味と香りで楽しむことができます。

ドイツチーズの詳しい情報はコチラ

ドイツ国内でのチーズ年間総生産量は2004年で約190万トンにもおよび、そのうちの1/3が世界各国に輸出されています。また国内での年間消費量も約180万トンで、自国生産のチーズはそのうち約70%を占め、残りが輸入チーズとなっています。したがってドイツはチーズの輸出大国でもあると同時に、輸入大国でもあるわけです。ドイツ人一人当たりの年間チーズ消費量はおよそ22kgで、日本人一人当たりの消費量の約10倍となっています。


ドイツ国内におけるチーズ種類別生産量

2000

2001

2002

2003x

エメンタール

65.0

69.3

70.0

74.6

チェスター

40.9

41.5

35.1

31.6

その他のハードチーズ

81.8

90.2

86.4

85.9

ハードチーズ・計

187.8

201.1

191.4

192.2

ティルジット

30.8

30.7

30.3

34.4

エダム

160.1

164.4

168.5

181.5

ゴーダ

145.0

162.1

155.7

161.6

その他のセミハードチーズ

135.0

148.0

142.4

134.4

セミハードチーズ・計

470.8

505.3

496.8

511.9

ブルーチーズ

7.9

7.9

7.7

8.1

ブッタケーゼ

26.5

25.4

28.5

28.9

その他のセミソフトチーズ

7.8

6.3

5.1

5.0

セミソフトチーズ・計

42.2

39.6

41.2

42.0

カマンベール

29.1

32.0

32.2

31.1

ブリー

1.6

1.6

1.2

1.1

ロマドウール

1.5

1.6

1.4

1.3

リンブルガー

7.7

8.5

8.3

8.6

ミュンスターケーゼ

0.2

0.2

0.2

0.2

その他のソフトチーズ

73.2

80.2

81.9

85.0

ー固形脂肪分40%以上45%未満

9.2

12.8

10.7

10.1

ソフトチーズ・計

113.3

124.1

125.4

127.3

クリーム・ダブルクリーム・フレッシュチーズ

9.9

36.2

33.9

44.6

シュパイゼ・クワルク

310.8

304.4

319.8

328.2

シヒトケーゼ

6.4

5.2

6.9

11.2

フレッシュチーズ(果物入りのもの)

238.5

244.8

253.3

252.8

フレッシュチーズ(ハーブ入りのもの)

65.7

84.7

79.2

76.5

その他のフレッシュチーズ
128.0
87.6
74.2
64.0

フレッシュチーズ・計

759.3

762.9

767.3

777.3

単位:1,000トン、資料出典:ドイツ連邦消費者保護・食糧農業省(BMVEL)

サッカーロード・ミュンヘンからベルリンへ ドイツ食の旅
さて来月からはいよいよミュンヘンからベルリンへ向けて、ワールドカップの開催都市めぐりに出発いたします。それぞれの都市や地方の特色ある食材や料理を探してご一緒に旅をいたしましょう。全部で幾つの土地を訪ねることができるかは、列車の停車時間にもよりますが、一つでも多くの街に寄れますよう願っています。

皆様、ご用意の程はいかがでしょうか。お座席にお座りの上お待ちください。

参照