ドイツの食材
ドイツ・サッカーロード「食の旅」

ドイツ・サッカーロード「食の旅」
待ちにまったワールドカップ・ドイツ大会が開幕しました。日本チームの試合のみならず、ごひいきの国のチームの試合に皆様もきっと一喜一憂されていることでしょう。今、世界中の目がドイツに集まり、ドイツは感動と興奮の渦の中にあります。そんな熱気にあふれたドイツに皆様を今回もまたご案内いたします。しばらくの間、ドイツのおいしい味をさがして「食の旅」をお楽しみください。

今回は北ドイツ編第2弾としまして北の玄関ハンブルク、そしてハンブルクから南東に下った旧東ドイツ領であったブランデンブルク州そして首都ベルリンへと旅をすすめてまいります。ハンブルクではドイツチームが属するグループAのエクアドル対コスタリカ戦をはじめとしていくつものグループ戦が、またベルリンでは日本チームの属するグループFのブラジル対クロアチア戦やグループAのドイツ対エクアドル戦等、いくつもの試合がおこなわれます。そしてサッカー・世界一を決める決勝戦もここベルリンでおこなわれます。

では列車の出発時刻となりましたので、2006年ワールドカップ・ドイツ大会「サッカーロード・食の旅」北ドイツ編・パート2へ出発いたしましょう。
Hamburg - ハンブルク州 -
ドイツで最大規模の国際貿易港を持つハンブルクはドイツの北の玄関としてのみならず、ヨーロッパの海の玄関としても重要な役割を担っています。ハンブルクの人口は約173万人(2004年12月現)、広さは755.24km2でドイツ16州の中では15番目に位置しています。しかし、その人口密度は1km2あたり2.297人と多く、ベルリン(人口密度3.799人)に次いでドイツ第2の大都市です。(統計出典:ドイツ連邦統計局) またハンブルクもブレーメンと同様に一都市であると同時に一つの州として独立しています。

港と言ってもそれは海に面した港ではなく、ブレーメンがヴェーバー川に面した河港であるのと同様に、ハンブルクもまたドイツを縦断する大河エルベに面した河港の都市です。エルベ川が北海へ流れ出る河口から110kmほど南へのぼった所に位置しています。世界各国からの大型貿易船が入出港を日々絶えず繰り返している港ハンブルクは、一年中世界各地からのビジネスマンや旅行者が多く訪れ国際色豊かな都市です。街の歴史は古く紀元前にはすでに住居があったと言われ、8世紀に教会が開かれ町としての基礎ができました。12世紀には当時ドイツを中心にして全盛を誇った神聖ローマ帝国の王フリードリヒ1世から海運の権利や商工の許可を得て、商人の活躍する町へと発展していきました。さらに1321年にハンザ同盟に加わり、Freie und Hansestadt Hamburg (自由ハンザ都市・ハンブルク)として、その商都の役割を現在まで培ってきました。その食文化は様々な側面を持ち、エルベ川河口や北海で捕れる魚を使っての料理をはじめとして、貿易港ハンブルクならではの要素をも多く取り入れ、ドイツ各地から集まる食材と、世界各国からの様々な食材とを使った料理が提供されています。そしてもちろん、伝統的な郷土料理もまた脈々と受け継がれてきています。この国際色と地方色豊かなハンブルクの胃袋をまかなうために、新鮮な野菜類はハンブルク南東のVierland / フィアラントや、ニーダーザクセン州をはじめ近隣の州から、果実は前回ご紹介しましたハンブルク西側のAltes Land / アルテスラントなどから、また乳製品、食肉や食肉加工品も近隣の州から毎日直送され、ハンブルクの市場は活気にあふれています。

Getränke -飲料-
Bier / ビール

ハンブルクとビールの歴史は大変古く、文献によると1376年には457の醸造所がハンブルクにあったとされています。当時のビールはアルコール度数が低く、アルコール飲料としてよりはむしろ基礎的な栄養価の高い食品として摂取されていたようで、それは今でも多数残るビール料理に見てとれます。ドイツ、特に北の地方ではビールを食材としてBiersuppe / ビールスープやBiersauce / ビールソースなど数多くの料理に使っています。現在ハンブルク州とその北シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の両州合わせて13のビール醸造所で、近代的な施設のもと約43万キロリッターのビールが醸造されています。(2004年度 統計出典:Deutscher Brauer-Bund e.V.) そしてここハンブルクの港から、ドイツ各地で醸造されたビールが、世界各国へと人々の喉を潤すために出発していくのです。

Alsterwasser / アルスター・ヴァッサー、Alster / アルスター

ドイツで一番はじめのビール・ミックスドリンクは、1922年頃ミュンヘン南部で生まれたRadler / ラードラーだと言われています。これはビールをレモネードで割ったものですが、「ラードラー」という名称は南ドイツでの呼び名で、ここハンブルクでは、同じものを「アルスター・ヴァッサー(水)」あるいは簡単に「アルスター」と呼んでいます。「アルスター」はハンブルクの街の中心に南北にある大きな湖で内アルスター湖と外アルスター湖に分かれておりハンブルクの人々の憩いの場所となっています。因みにベルリンではこれを「Potsdamer / ポツダマー」と呼んでいます。アルスター・ヴァッサーとラードラーの唯一違う点は南ドイツの「ラードラー」は色の濃いフォルビア / Vollbierを割って飲みますが、ハンブルクの「アルスター」は色の薄いピルスを使って作ります。作り方はいたって簡単、レモネードをグラスに半分入れて、その次にビールを注ぎ入れて出来上がりです。もちろんお好みでビールの割合は調節して下さい。ただ割る方も割られる方も、両方ともに良く冷えていることが美味しく飲む絶対条件です。暑い日にはもってこいのドイツのビールカクテル、是非一度お試しください。

Fleischwaren -食肉加工品-
Hamburger Steak / ハンバーグステーキ

日本で老若男女を問わず誰にでもお馴染みのハンバーグステーキ(Hamburger Steak / ハンブルガーステーキ)は、このハンブルク出身の料理ですが、この名前の生い立ちには諸説あります。元来ドイツにはこのような呼び名はなく、挽肉を焼いたものは普通「Frikadelle / フリカデッレ」と呼ばれています。ハンバ−グの前身は新鮮な牛の生挽肉を各種スパイスと混ぜ合わせて食べる「Tatar / タタール(タルタルステーキ)」とされ、これを焼いたものをアメリカ人がハンブルク風ステーキと名付けたことがはじめだと言われています。そしてこのハンブルク風ステーキをパンにはさんで食べるのがファースト・フード界の王様「ハンバーガー」というわけです。

Frikadelle / フリカデッレ

さて、Frikadelle / フリカデッレですが、日本でもハンバーグが家庭料理の一つとして、その家庭独自の味を持つのと同じように、ドイツのフリカデッレもそれぞれの家庭によって味付けや混ぜる具材などが変わる料理です。シンプルなものから、いろいろなスパイスを加えたものなど、バリエーション豊富に楽しめる料理です。呼び方も地方によって変わり、Bulette / ブレッテ(特にベルリン)あるいはKlopse / クロップセ、Fleischkloß / フライシュクロース等とも呼ばれています。

Pökelfleisch / ポッケルフライシュ

Fleisch / フライシュは肉のことでPökelfleischとは塩漬けされた肉のことを言います。「塩漬け」は太古の昔からある食品の保存方法でドイツでも牛肉や豚肉の保存方法に取り入れられてきました。ハンブルクやシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州をはじめとした北ドイツでよく食べられるこの「Pökelfleisch / ポッケルフライシュ」は塩漬けの牛肉を2時間程、スパイスと玉ネギを加えた湯の中で茹でて作ります。肉のおいしさを楽しむ北ドイツのスペシャリティーです。

Suppen, Eintöpfe -スープ、シチュー煮込み料理-
Eintopf / アイントプフ

Ein / アインは一つの、Topf / トプフは鍋という意味でまったく文字通り一つの鍋で作られる料理です。基本的には水あるいはスープストックをベースに一つの鍋に具材を入れて煮込んで調理します。そのバリエーションは無数にあり、具だくさんのスープから、グラッシュのようなシチュー煮込み料理まで様々です。ドイツ国内どこの家庭にもその家庭独特のEintopfが何種類かはあると言っても過言ではないでしょう。作り置きができ、いろいろな具材が入っている栄養満点のアイントプフは、忙しい主婦には助かる一品です。

北ドイツ地方ではベーコン、ジャガイモとグリンピースやレンズ豆等の豆類を一緒に煮て作る具だくさんのスープ類が多く、またSteckrüben / シュテックリューベンと呼ばれるカブに似た野菜(英:スウィード)、を使ったアイントプフもあります。


Hamburger Aalsuppe / ハンブルガー・アール・ズッペ

「ハンブルクで最も代表的な郷土料理は?」と聞かれて、きっと80%以上の人が「ハンブルガー・アール(鰻)・ズッペ(スープ)」と答えることでしょう。これはその名のとおり「ハンブルク風鰻のスープ」という意味ですが、実は元々のハンブルガー・アール・ズッペにはアール(鰻)は入っていませんでした。ドイツ語で「全て」という意味の「all」(アルと発音)を、ハンブルクの方言で「aal」アールと発音することから、いろいろな具材の入ったスープ、残りもの「全て」の具材を使ったスープという意味で「アール・ズッペ」と名付けられたわけです。ただし現在では、aalをアール(鰻)と解釈する人の方が多いことから、大概の「アール・ズッペ」には鰻が入っています。もしハンブルクのどちらかでこの「アール・ズッペ」が食卓に出てきて、鰻が入っていなくても「違う!」と思わないでください。鰻なしのスープもまた「アール・ズッペ」なのです。さて、鰻の入った「ハンブルガー・アール・ズッペ」の作り方をちょっとご紹介しておきましょう。これも地方や家庭によって、またレストランによって使う具材は異なり、さらに鰻も生のものだけでなく燻製のものを使う場合もあります。一般的には、豚の骨(Schinkenknochen) からとったスープで、いろいろな種類の野菜やリンゴ、プラムなどのドライフルーツを戻したものをスパイス類と一緒に煮込みます。野菜が柔らかくなった所で一口大の大きさに輪切りにした鰻を加え、さらに20分ほど煮て作ります。最後に塩、胡椒、砂糖、酢そしてワインで味を調えて「アール・ズッペ」の出来上がりです。戻したドライフルーツが入っているのが特徴で、甘さと、酸味がほど良く合わさり、しつこさを感じさせないスープです。

Brandenburg -ブランデンブルク州-
さて、いよいよ旧東ドイツ領であったブランデンブルク州に駒を進めてまいります。ブランデンブルク州はドイツでは5番目の広さを持つ州で(29,478km2) その人口は2004年12月現で約257万人となっています。人口密度は1km2あたり87人という、ハンブルクやベルリンとは比較にならない、極めて少ない数字が出ています。(統計出典:ドイツ統計局)

州都はベルリンのすぐ隣にあるポツダムで人口約15万人のブランデンブルク州の中では一番の都市です。このポツダムは、1945年に発せられた「ポツダム宣言」で私たちには馴染みがある都市名です。

ブランデンブルク州の食文化はその土地の特産品を使った料理に特徴があります。この州には大小さまざまな湖が点在する土地柄から、淡水魚が豊富で、Hecht / ヘヒト(川カマス)、Karpfen / カープフェン(鯉)、Zander / ツァンダー(サンダー)等の淡水産の白身魚を用いた料理が多いことが上げられます。

またブランデンブルク州はその中ほどに位置する大都市ベルリン(ベルリン州)へ野菜をはじめ各種生鮮食料品を供給する大事な役割を担っています。ポツダムの西隣Werder / ヴェルダーの町は野菜、果樹、果物などの栽培が盛んで、特に果実から作られるObstwein(フルーツワイン)が、広く知られています。

Fisch -魚-
ドイツ人の一人当たりの魚および魚加工品の平均消費量は年間約14kg(頭・尾・内蔵等含む)あります。(統計出典:BMELV)北ドイツ地方以外海に面していないドイツでは川魚や淡水魚がよく食べられ、特にForelle / フォレッレ (鱒)やKarpfen / カープフェン(鯉)は地方や家庭によっていろいろな調理法があります。ただ鯉と言っても、ドイツ鯉は日本の和鯉とは少々種類が違い、鱗は大きなものが背筋側にあるだけです。また魚自体の形も和鯉のように細長い流線型ではなく、ひし形に近い姿をしています。ここブランデンブルク州には1万ヘクタール以上の天然池、湖、川があり、195あまりの企業が漁業あるいは養殖業社として登録されています。

Peitzer Karpfenragout / パイツ風カープフェンラグー

ブランデンブルク州南東にある小さい町Peitz / パイツには約1000ヘクタールにおよぶ淡水魚の養殖池があり年間約4500トンの水揚げがあります。特に鰻、ベルカと呼ばれるスズキの仲間の淡水魚、鱒などが養殖されており、さらには発電所からの温排水を利用して鯉が養殖されています。カープフェン(鯉)・ラグーはこのパイツ地方の鯉のシチュー料理です。レモン汁とスパイスで軽くマリネにして臭みを取った鯉を、炒めた玉ネギとSenfgurken / ゼンフグルケン(からし粒で漬けたキュウリのピクルス)と一緒に生クリームとケフィア(発酵乳)で煮込んで作ります。

Gemüse -野菜-
Gurke / グルケ

グルケ(複数形・グルケン)はキュウリのことですが、一般にサラダ用キュウリは日本のキュウリとは少々趣が異なり、長さは約30cmほど、太さは17〜20cmちかくあります。

またこの他にドイツではキュウリの加工品、ピクルスが大変好んで食べられています。このピクルスは一般に「Gewürzgurke / ゲヴュルツグルケ」と呼ばれており、小さいキュウリを酢とスパイスに漬けて作ります。地方によっての別名は、Saure Gurke / ザウレ・グルケ(酸っぱいキュウリという意味)あるいはSalzgurke / ザルツ・グルケ(塩キュウリ)など、いろいろあります。このピクルス加工用キュウリの収穫量はドイツ国内におけるキュウリ総収穫量の約90%にもおよんでいます。なお、2004年度のキュウリ加工品のドイツ人一人当たりの年間消費量は約2.3kgでした。(統計出典:ドイツ果実・野菜・ジャガイモ工業会)

ドイツ国内で2005年度に収穫されたキュウリ(路地物)は約15.6万トンで、その内ピクルス用のキュウリは14.4万トンでした。そしてブランデンブルク州の路地物キュウリの収穫量は同年で約3万トン、バイエルン州の9.6万トンについでドイツ国内第2位で、ドイツ国内総収穫量の約5分の一でした。(統計出典:ドイツ連邦統計局) ブランデンブルク州南部の地域Spreewald / シュプレーヴァルトはこのゲヴュルツグルケの生産で広く知られており、Spreewälder Gurke / シュプレーヴェルダー・グルケとしてEUの地理的表示保護制度に認定されています。

Spargel / シュパーゲル

すでにご案内してきましたようにドイツにおけるSpargel/ ホワイト・アスパラガスの季節の野菜としての人気は揺るぎがたいものがあります。そしてドイツ国内には、ホワイト・アスパラガスの有名生産地が幾つもあり、前回ご紹介しましたニーダーザクセン州のブラウンシュバイクとともに、ここブランデンブルク州Beelitz / ベーリッツもまたその町の名前をこの白い野菜で有名にしています。ブランデンブルク州全体でのホワイト・アスパラガスの年間総収穫量は約1.2万トンで、これはニーダーザクセン州、ノルトライン・ヴェストファーレン州についで国内第3位となっています。(統計出典:ドイツ連邦統計局)


Berlin -ベルリン州-
ドイツの首都ベルリンは人口約340万人を有するドイツ第1位の大都市です。そしてブレーメンやハンブルクと同じように一つの都市で一つの州を形成しています。その広さは約891km2で、ドイツ16州の中では14番目、ハンブルクより少し広い州となります。そして地図からもおわかりのようにその周りをブランデンブルク州に「ぐるり」と囲まれています。

複雑な歴史を背景に持つ都市ですが、東西ドイツ統一以後ドイツの首都としての機能、そして経済や文化の中心として大きな役割を担っています。

ベルリンには1871年Deutsches Reich / ドイチェスライヒ(ドイツ、あるいはドイツ帝国と訳されています)成立時から1945年第二次世界大戦終了時まで首都が置かれていました。そして皆様がご存知のように、大戦後、ベルリンは東(東ドイツの首都)と西(西ドイツの一州)とに分けられ、1961年に東ドイツ政府が「ベルリンの壁」を築いたわけです。この東西ベルリンを隔てていた壁が1989年に取り壊されたことはどなたにもまだ記憶が新しいことと思います。その翌年1990年10月3日東西ドイツが統一、ベルリンがまたドイツの首都となったわけです。

ベルリンの食文化を考える時、忘れてはいけなことは、この街の成り立ちです。ここベルリンはその長い歴史の上で多くの民族がその時代時代に移り住み、この都市を支えてきました。スラブ系、ユダヤ系、そしてフランスからユグノー派(新教徒)の人々が、またポメルン地方(当時はドイツ・現ポーランド領)やシレジア(1945年まではドイツ領・ポーランド南東部からチェコ北東部にかけての地域)などからも多くの人々が移り住みました。このようにしてベルリンには多くの異なった文化が入り、それまでのものと混ざり合い一つの文化が作り上げられてきたわけです。さて、それではベルリンではどのような料理が好んで食べられているのかご紹介しましょう。

Bier -飲料-
Bier / ビール

Berliner Weisse / ベルリーナー・ヴァイセ
ベルリン出身のヴァイスビア(白ビール)のことで、大麦麦芽と小麦麦芽で醸造された白濁した淡い色の上面発酵ビールの総称です。ドイツ南部ではこれをWeizen(ヴァイツェン)と呼ぶのに対して、ベルリーナー・ヴァイセを単にヴァイセと呼ぶこともあります。このベルリーナー・ヴァイセの歴史は古く1500年代にハンブルクから伝わってきたヴァイスビアがベルリンの水で醸造されるようになり、1600年代に口当たりの良いビール、ベルリーナー・ヴァイセとしてその人気を博すようになったとされています。

ヴァイツェンに比べて小麦麦芽の使用比率がやや低いため、濃度も低く淡い色のビールです。夏に好んで飲まれ、特にシロップやリキュール等とを混ぜあわせ、ビール・ミックスドリンクとして、カクテルグラスを大きくしたような広口のグラスに注いで飲みます。このミックスドリンクで一番ポピュラーなものはヴァルトマイスター(クルマバ草)あるいはラズベリーのシロップを加えて作るドリンクです。さらにその他にも、クミンシードで作ったシュナップス、あるいはアンズのリキュールをベルリーナー・ヴァイセで割ったものや、また赤ワインと砂糖、レモン汁を加えたものにベルリーナー・ヴァイセを加えてドリンクにしたものなど、そのバリエーションは豊富です。暑い夏にすっきりと喉をうるおす一杯です。

Fleischwaren -食肉加工品-
Berliner Eisbein / ベルリン風アイスバイン

アイスバインはドイツ料理の代表格と言える伝統料理の一つです。右の写真をご覧いただいてもお分かりのように豚の脚・すねの部分を皮付きで骨ごと茹でて作る、なんとも「豪快」な料理です。さすがのドイツ人も目の前にアイスバインの皿が運ばれてくると「オー」と言った顔つきになりますが、そこは年季の入ったもので、少々小ぶりのものならば、女性でも一人一皿「ペロ」っと食べる人が多くみられます。ボリューム満点に見えますが、まあ半分は骨ということにしておきましょう。

さて、このアイスバインの名前は、その昔スケート靴の「刃」を豚の大腿骨やすねの骨を使って作っていたところから、「アイススケート用の骨」がアイスバイン(バインは骨または脚と言う意味)と呼ばれ、その部位を使った料理にも「アイスバイン」と命名されたことに由来するようです。アイスバインには塩漬けされた豚の骨付き肉が用いられ、数時間茹でて作ります。作り方は「ドイツ料理のレシピ」コーナーでご紹介しておりますので、一度お試しください。

1800年にベルリンのレストランではじめて提供されたとされるアイスバインですが、現在ではドイツ各地で食べられています。ただし地方によってSchweinehaxe / シュバイネ・ハクセ(豚の脚肉という意味), あるいはHaxe / ハクセなどと呼び名が違ってきますので少しご注意ください。このアイスバインの付け合せにベルリンでは「Erbspüree / エルプスピュレ(エンドウ豆のピューレ)」が添えられるのが伝統的です。もちろんザウアークラウト、さらには塩茹でのジャガイモ等も付け合せとしてしばしば供されます。またこのエンドウ豆のピューレは前回ご案内しましたKassler / カスラーのローストしたものにも良く付け合せとして添えられられます。因みにこのカスラーの生みの親であるCassler氏はここベルリンの食肉マイスターでした。

Currywurst / カレー・ヴルスト(カレー・ソーセージ)

このカレー・ヴルストはドイツ国内のインビス・スタンドの定番メニューで、ドイツの大衆スナックの代表格とも言えます。トマトケチャップあるいはトマトペーストをベースにカレー粉を加えて作ったカレーケチャップをかけて食べる焼きヴルストです。このカレー・ヴルストの生まれに関しましてはベルリンなのか、ハンブルクなのか、それぞれの街が「元祖」を主張しているようですので、答えは保留にいたします。いずれにしても、お腹が空いたら街角のインビス・スタンドをのぞいて見てください。焼きたてのソーセージを食べやすい一口サイズに切って、上からカレーケチャップをたっぷりとかけてくれます。ブロートヒェン(パン)と一緒に食べるかPommes Frites / ポン・フリ(フライド・ポテト)と食べるかはお腹の空き具合で皆様にお任せいたします。


Suessigkeit -菓子-
Berliner Pfannkuchen / ベルリーナー・プファンクーヘン

これは普通「Berliner / ベルリーナー」と呼ばれている、ドイツ全国で大変ポピュラーな揚げパン菓子です。一言で言うならば、穴の開いていないドーナツです。その歴史は1756年にまでさかのぼることができ、当時のベルリンのパン屋によってはじめて作られたとされています。パン生地を丸くして油で揚げ、後から中にジャムを入れ外側には粉砂糖をまぶして仕上げます。一年中販売されていますが、特に大晦日やカーニバルなどの祭事の時に、人気があります。


出発
ハンブルク、ブランデンブルク州、そしてドイツの首都ベルリンとかけ足でご案内してまいりました。それぞれの地方に特色ある料理の数々が息づいているのを見ていただけたと思います。今回は「ドイツ料理のレシピ」のコーナーで「アイスバイン」の作り方をご紹介しておりますので是非一度お試しください。

ワールドカップ・ドイツ大会の最終戦は7月9日ベルリンのオリンピック・スタジアムで行われます。このスタジアムは、1936年ベルリンでオリンピック開催の際に建設された建物です。ビールを片手にカレー・ヴルストを食べながら、あるいは甘党の方はベルリーナーを食べながら、ゆっくりと決勝戦までご観戦をお楽しみください。列車の発車時刻が近づきましたら、また駅へお戻りください。

参照