ドイツの食材
ドイツ・サッカーロード「食の旅」

ドイツ・サッカーロード「食の旅」
ワールドカップ・ドイツ大会の開催地を中心に、ドイツのおいしい味をさがして皆様とご一緒にドイツの州を旅してまいりました。それぞれの地方や町にいろいろな名物、郷土料理、そして食材があることに、きっとご興味いただけたことと思います。

さて、いよいよ最終回となります今回の「食の旅」は、ドイツ南西部に戻りましてバーデン・ヴュルテンベルク州とその北側に位置するヘッセン州をご案内いたします。この2州のスペシャリティーをお楽しみください。

それでは「サッカーロード・食の旅」ドイツ南西部編へ出発いたしましょう。

Baden Württemberg - バーデン・ヴュルテンベルク州 -
バーデン・ヴュルテンベルク州はバイエルン州、ニーダーザクセン州に続くドイツ16州の中では3番目の広さ、約35,751km2を持つ州で、その人口は1,000万人を超え、2004年末現在で約1,070万人(ドイツ16州中3位)となっています。(統計出典:ドイツ連邦統計局)ライン川の支流の一つであるネッカー川に臨む州都シュトゥットガルトは州内では一位の人口数約60万人を有する都市でバーデン・ヴュルテンベルク州の政治・経済の中心である産業都市としての役目を担っています。

バーデン・ヴュルテンベルク州はシュトゥットガルト、カールスルーエ、テュービンゲンそしてフライブルクの4つの行政区域に大きく分けられており、その4つの行政区域はさらに12の地区に、そしてそれはまた郡と郡に属さない市へと細かく分割されています。

バーデン・ヴュルテンベルク州はドイツ国内でも自然豊かな風光明媚の土地として知られており、州南西部に位置するSchwarzwald / シュヴァルツヴァルト(黒い森)はドイツを代表する観光地の一つとなっています。南北に160kmにも広がる「シュヴァルツヴァルト・黒い森」の名前は、この一帯にTannenbaum / タンネンバウム(モミの木)が茂り、森を濃い緑でおおっていることに由来しています。また、オーストリアを通り黒海へ流れ出る大河ドナウ川はここシュヴァルツヴァルトの中に位置する、ドナウエッシンゲンにその源を発しています。さらに州東南部にはSchwäbische Alp / シュヴェービッシェ・アルプと呼ばれる中級山岳地帯が広がり、州南部スイスとの国境には約540km2の広さを持つ湖、Bodensee / ボーデン・ゼー(ボーデン湖)があります。ここシュヴァルツヴァルトは自然を満喫させてくれる地域として、この一帯に点在する大小の町々や保養地、そして キャンプ場には一年中ドイツ各地や近隣の国々から訪れる人々が絶えません。

またドイツ最古の大学がある町として、そして悲恋物語の戯曲「アルト・ハイデルベルク」でも知られている町、ハイデルベルクはここバーデン・ヴュルテンベルク州の北に位置しています。バーデン・ヴュルテンベルク州は大きく分けて2つの地域にその食文化を見ることができます。州西側の地方、バーデン地方はその穏かな気候と肥沃の土地から、多種におよぶ農産物が栽培され、ワインの一大生産地でもあります。さらに隣国フランスからの影響も受け、バラエティーに富んだ料理を楽しむことができます。シュヴァーベン地方は、州東隣のバイエルン州にも地域をまたぎ、凝りのない、この地方独特の料理を伝統的に受け継いできたと言えます。ここバーデン・ヴュルテンベルク州では、ドイツの他の州と同じようにそれぞれの地方・地域が「地の食材」を上手に使い、特徴ある郷土料理を生み出してきました。

Getränke -飲料-
Wein / ワイン

バーデン・ヴュルテンベルク州はラインラント・プファルツ州に次ぐドイツワインの一大生産地です。ドイツにある13のQ.b.A.ワインの生産地域のうち、ここバーデン・ヴュルテンベルク州は「バーデン」と「ヴュルテンベルク」の2つの生産地域を有しており、そのワイン用のブドウの作付面積は両地域を合わせて2005年度で約26,700ヘクタールにおよんでいます。(統計出典:ドイツ連邦統計局)

Obstbrand / オプストブラント

オプストブラントはリンゴや洋梨、チェリーなどのObst(果実)から作られる蒸留酒の総称で、Obstbranntwein / オプストブラントヴァインとも言います。日本では果実酒、フルーツブランデーと訳されています。ここバーデン・ヴュルテンベルク州はドイツ国内の果実の一大生産地であることから、収穫された果実を使ったオプストブラントの生産が盛んな地域です。ドイツ国内のみならず、世界的に有名なサクランボのオプストブラントであるKirschwasser / キルシュ・ヴァッサーは、ここバーデン・ヴュルテンベルク州、特にシュヴァルツヴァルトのものが広く知られています。この他にもドイツではリンゴ、Mirabelle / ミラベッレ(西洋スモモ)、 Zwetschge / ツヴェッチゲ(Zwetsche / ツヴェッチェの方言・プラム)から作られるオプストブラントも好んで飲まれています。さらにベリー類から作られるオプストブラントもあり、これらには大抵の場合、果実の名前の後にGeist / ガイスト(ここでは「酒精」という意味ですが、ガイストの第一の意味は「精神」)ということばを付けて呼ばれています。例えばHimbeergeist / ヒンベア・ガイスト(ラズベリーの蒸留酒)、Brombeergeist / ブロンベア・ガイスト(黒イチゴの蒸留酒) 等があります。

Fleischwaren -食肉加工品-
Schwarzwälder Schinken / シュヴァルツヴァルト産シンケン

シュヴァルツヴァルト産シンケン(ハム)は、シュヴァルツヴァルト地方の伝統ある燻製された生ハムで、ドイツを代表する生ハムの一つです。吟味された肉に塩とスパイスをよくすりこみ、塩漬けにします。肉の大きさによってこの塩漬けの期間は違ってきますが、約2週間前後塩漬けされ、そして塩を取り除いた後さらに約2週間冷所で熟成させます。この熟成が終わると肉は数週間にわたり約25℃前後で冷燻製され、この後さらに数週間熟成期間を持ちます。このように長時間の製造工程を経ることにより、シュヴァルツヴァルト産生ハムはその特徴ある力強いアロマを持つハムに出来上がるのです。

シュヴァルツヴァルト産シンケンはEUの地理的表示保護制度に認定されており、シュヴァルツヴァルトで製造されたもののみに、この名称を使うことが許可されています。

Fisch -魚-
バーデン・ヴュルテンベルク州はメクレンブルク・フォアポンメルン州、バイエルン州とともにドイツ国内では淡水魚の種類が豊富な州です。州全体面積約35,750km2の約1.1%にあたる約4万ヘクタールが川や湖、あるいは養魚場などになっています。なおこの数字にはボーデン湖は含まれていません。主な種類にはForelle / フォレッレ(鱒)、Karpfen / 鯉、Felchen / フェルヒェン(ウグイの一種)、Flußaal / フルッスアール(川鰻)などがあります。鱒は天然物、養殖物含めてドイツ全国の年間漁獲量、約2.2万トンのうち1/4にあたる約5千トンがここバーデン・ヴュルテンベルク州で水揚げされています。(統計出典:VFG, Baden-Württemberg e.V.) 5月から8月にかけてが旬のシュヴァルツヴァルト産鱒(Schwarzwaldforelle)はEUの地理的表示保護制度に認定されています。
Gemüse und Obst -野菜と果実-
バーデン・ヴュルテンベルク州での主な野菜(路地物)の作付面積は2004年度で7,205ヘクタールでその収穫量は14.5万トンでした。(統計出典:ドイツ連邦統計局、ZMP) また果実においてはここバーデン・ヴュルテンベルク州は一大生産地であり、リンゴ、洋梨、サクランボ(Süßkirschen・甘果のサクランボ)はドイツ16州の内では、最も大きい作付面積をほこり、それぞれの年間収穫量もドイツ国内では一番となっています。一例としてリンゴの収穫について見てみますと、ドイツ国内総作付面積31,159ヘクタールの内およそ1/3に当たる10,000ヘクタールで栽培されており、2004年度の収穫量は約33.1万トンで、これはドイツ国内16州の中で最も多い収穫量でした。

Schupfnudel / シュプフヌーデル

Schupf / シュプフとは「押す」「投げる」、また「こする」といった意味を持ち、Nudel / ヌーデルはヌードル、めん類のことで、シュプフヌーデルはジャガイモに小麦粉を混ぜて、少々太めの棒状に形作った南ドイツ地方出身の料理です。このシュプフヌーデルはBubespitzle / ブベシュピッツレとも呼ばれ、ジャガイモがヨーロッパに伝わる以前からすでに食べられていたと言われています。ただし当時は小麦粉のみでつくられていたようで、そこからヌーデル、「めん」ということばが生まれたとのことです。ジャガイモがドイツで食されるようになると、この料理はジャガイモを使って作られるようになり、現在にまで至っています。作り方はいたって簡単で茹でたジャガイモをチーズグリーダーでおろし、そこへ小麦粉(ジャガイモ全量に対して1/4量)と卵を加えよく練り、塩とナツメグで味を調えます。生地を両手でこすりあわせ、両端をとがらして、写真のようなシュプフヌーデルの形にします。塩を加えた熱湯で2分程茹でて出来上がりです。肉料理の付け合せとしても、あるいはバターで焼いて一品料理としてもおいしい南ドイツの郷土料理です。

Teigwaren -パスタ類-
Teigwaren / タイクヴァーレンはふつう「めん類」あるいは「パスタ類」と訳されています。Teig / タイクとは「練って作った生地」のことを言い、基本的には小麦粉等の穀物粉を練って作った生地のことを言います。よってTeigwaren / タイクヴァーレンとは「粉を練った生地から作ったもの」という意味になります。さて、ここバーデン・ヴュルテンベルク州にはこのタイクヴァーレンのスペシャリティーが豊富で、それを用いた料理もバラエティーに富んでいます。ここで何品かご紹介してみましょう。

Spätzle / シュペッツレ

シュペッツレは南ドイツ地方の名物料理であり、ドイツでは全国的に誰にでも好まれているタイクヴァーレンの代表です。形はめん状で長さは5〜8cmぐらいが一般的です。作り方は小麦粉と卵を混ぜあわせ塩を加え、どちらかというとゆるめの生地を作ります。この生地をまな板のような板の上に薄めにのばし、沸騰している湯の中に板の端からナイフを使って細くめん状にして落としていきます。(なお現在ではシュペッツレを作る道具もあります。) 茹って浮いてきたら、穴空きお玉ですくい上げて出来上がりです。茹でたものを熱いうちにそのまま、あるいはバターで炒めて、肉料理の付け合せにします。また一品料理としてはチーズをまぶしてオープンで焼いたシンプルなKäsespäzle / ケーゼ・シュペッツレ、あるいはキノコ類、またはベーコン等を加えてオープンで焼いたりと数々のバリエーションが楽しめます。現在では日本の乾麺のように、茹でるまでになった乾燥シュペッツレや、生あるいは半生タイプといったシュペッツレがいくつものメーカーから販売されており、手間をかけずに食べられるようになりました。(写真は乾燥のシュペッツレです。)

Linsen und Spätzle / リンゼン ウント シュペッツレ

これはLinsen(レンズ豆)を煮たものをシュペッツレと一緒に食べるシュヴァーベン地方の伝統料理の一品です。作り方は、それぞれの家庭によって違いますが、一般的にはスモークの効いたベーコンと玉ねぎ、そしてスパイスでレンズ豆を煮込み、出来上がり近くにSaitenwürste / ザイテンヴュルステというWiener Würstchen / ヴィーナー・ヴュルストヒェン(ウインナーソーセージ)に似たソーセージを入れて仕上げます。赤あるいは白のワインビネガーを加えてレンズ豆を煮込むことに特徴があり、しつこくない味わいの料理に仕上がります。ベーコンの代わりにスモークされた豚肉を加える場合もあります。シュペッツレとは別々に供され各自が好みの分量を取り分けて食します。

Maultasche / マウルタッシェ

マウルタッシェもまたバーデン・ヴュルテンベルク州に数あるタイクヴァーレン の一つで、シュヴァーベン地方のスペシャリティーです。小麦粉を練った生地を平らに長方形にのばし、その上に具をのせて包みます。具はほうれん草、玉ネギ、挽肉、湿らしたパンそして調味料等を一緒に混ぜあわせて作ります。この具を生地にのせ、生地をはじから3つ折りにします。これを8〜10cm四方ほどの大きさに切って、茹でて出来上がりです。これをスープの具として食べたり、あるいは焼いて食べたりとその食し方もいろいろあります。イタリア料理のラヴィオリに似ていますが、具がたくさん入り、ボリュームあるものですので、一人2〜3個も食べるとお腹一杯になります。またマウルタッシェはそれぞれの家庭によって中に入れる具もいろいろです。現在ではシュペッツレと同じように多くのメーカーが半調理済みあるいは調理済みのマウルタッシェを販売しており、ドイツ全国ほとんどのスーパーで売られています。このようなマウルタッシェを、自宅で一手間加え調理して、好みの食べ方で食す家庭も今は多くみられます。

Kuchen -ケーキ-
Schwarzwälder Kirschtorte / シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ

これはドイツのみならず世界的にも有名で、誰からも愛されているドイツを代表するケーキのスペシャリティーです。「シュヴァルツヴァルトのサクランボ・ケーキ」と命名された、キルシュ(サクランボ)、キルシュ・ヴァッサー(サクランボの蒸留酒)、生クリーム、そしてチョコレートを使ったケーキです。キルシュ・ヴァッサーをケーキ台になるスポンジにしみこませ、またキルシュを煮る際にもたっぷりと使っていますのでキルシュづくしのケーキと言ってよいでしょう。名前の由来については、地名から由来する説と、使われる食材に由来する説など幾つかあります。いずれにせよクリームの濃厚な味の中に、お酒のきいたサクランボのほのかな酸味がかもし出す味わいは絶妙なおいしさです。

ドイツ料理のレシピ」コーナーでキルシュとキルシュ・ヴァッサーを使った、シュヴァルツヴァルト風のデザートをご紹介しています。是非一度お試しください。

Hessen -ヘッセン州-
ドイツの空の玄関であると同時に、ヨーロッパのほぼ中央に位置することから、ヨーロッパの空の要としての役割を担う国際空港を持つ都市フランクフルト、さらにはニューヨーク、ロンドン、東京に続く国際金融都市であり、ドイツの金融の中心として重要な役目を持つ都市フランクフルト、この都市が位置しているのがヘッセン州です。ヘッセン州の広さは21,114km2(ドイツ16州中7位)、州の人口は2004年末現在で約600万人となっています。(統計出典:ドイツ連邦統計局) 州都はヴィースバーデンでフランクフルトからは約40kmほど西側に位置しており、ヘッセン州ではフランクフルトに次ぐ第2の都市です。またここヴィースバーデンはドイツ国内では最も大きい温泉地として有名で、すでに古代ローマ時代から温泉が利用されていたとのことです。現在もドイツ各地からKur / クア(療養、湯治)に訪れる人が一年中絶えることはありません。フランクフルトはライン川の支流の一つマイン川に臨んでいることから、その正式名称をFrankfurt am Main / フランクフルト・アム・マインと言います。その人口は約65万人で州内では一番の都市です。フランクフルトの町の歴史は古く、紀元前には古代ローマ人とフランク人がこの地をめぐり争っていました。そしてその後、都市として繁栄し、現在では国際商業都市として、日夜世界中の目が注がれています。

ヘッセン州はダルムシュタット、ギーセン、カッセルの3つの行政区域に分かれており、その中をさらに21の郡と郡に属さない5つの市に分かれています。北東部はテューリンゲン州と、東部はバイエルン州北部のフランケン地方と接していることから、その食文化もまたそれぞれの地方の影響を受けていると言ってもよいでしょう。さらに独自の伝統ある郷土料理をも持ち、ヘッセン州の食文化は地方色豊かなものとなっています。南部にはドイツにある13のQ.b.A.ワインの生産地域のうち「ラインガウ」、「ヘッシィシェ・ベルクシュトラーセ」の2つの地域を持つ州でもあります。

Getränke -飲料-
Apfelwein / アプフェル・ヴァイン(アップルワイン)

アプフェル・ヴァイン(アップルワイン)はその名の通りリンゴから作られる、アルコール度数 5〜6%の酒でフルーツワインの一つです。地方によってEbbelwoi / エッベルヴォイ、Apfelmost / アプフェルモスト等とも呼ばれており、ドイツでは年間およそ37,200キロリッターのアップルワインが生産されています。(統計出典:ドイツ連邦統計局) ここヘッセン州でのアップルワインの生産量はその70%近くにもおよんでいるとのことです。アップルワインの歴史は古代ギリシャ時代までにもさかのぼれるとも言われ、その後古代ローマ人へと伝わったとされています。ドイツでは16世紀に入ってからアップルワインについての記述が文献に残っており、現在のドイツでのアップルワイン製造方の基礎となる規定ができたのが1638年のことです。そして1700年代中頃に、フランクフルトではじめてアップルワイン販売の許可が下りたとのことです。

このアップルワインは冷たく冷やして飲むのが一番おいしい味わい方で、暑い夏に絶好の飲み物です。またガス入りのミネラルウォーターで割ったり、レモネードで割ったりといろいろなミックスドリンクとしても親しまれています。

Kräuter -香草-
Frankfurter Grüne Soße / フランクフルター・グリューネゾーセ (グリーンソース)

これはフランクフルトの郷土料理で、ここフランクフルトではGrie Soß(グリー・ゾース)と方言を使って呼ばれています。ヨーロッパに 2000年以上昔からあるとされる、グリーンソースのバリエ ーションの一つで、伝統的に7種類の香草を使って作るとされています。その種類はそれぞれの家庭や地域によって様々あるようですが、基本的にはPetersilie / ペータージリエ(パセリ)、Schnittlauch / シュニットラウホ(チャイブ)、Kerbel / ケルベル(チャービル)、Pimpinelle / ピムピネッレ(サラダバーネット)、Sauerampfer / ザウアーアムプファー(仏:オゼイユ、英:ソーレル)、Kresse / クレッセ(クレソン)、Borretsch / ボレッチュ(ボリジ)が使われます。またDill / ディルを入れる地方もあります。フランクフルトやその近郊の町のMarkt(市)では野菜あるいはハーブ売りの屋台で、この7つの香草を一まとめにして紙で包んで売っている所を見かけます。どことなく日本の七草に似ています。

さてこのグリーン・ソースの作り方は、7種の香草を水で洗って良く水分をとった後、細かくみじん切りにしておきます。固ゆでにした卵の黄身をザルか裏漉しを通し細かくし、サラダ油、ヨーグルトそしてサワークリームと一緒に混ぜ合わせます。この中に先の香草を混ぜ、レモンの絞り汁、マスタード、塩、胡椒で味を整えて出来上がりです。レシピによっては玉ネギのみじん切り等が入る場合もあります。塩茹でしたジャガイモのソースとして供されるのが伝統的で最もポピュラーですが、その他にも牛肉、魚、茹で玉子などのソースとしても好まれています。

これらの香草を使った「Frankfurter Suppe / フランクフルト風スープ」を「ドイツ料理のレシピ」のコーナーでご紹介しております。香草を使ったフランクフルトソーセージ入りのポテトスープです。「香草とソーセージ」、フランクフルトのスペシャリティー2品が一度に味わえ、簡単にできるスープです。是非一度お試しください。

Wustwaren -食肉加工品-
Frankfurter Würstchen / フランクフルター・ヴュルストヒェン(フランクフルト・ソーセージ)

一言でFrankfurter / フランクフルターとも呼ばれている世界的に有名なフランクフルト・ソーセージは長さ20cm前後、直径が1.5cmほどのソーセージでフランクフルトのスペシャリティーです。このソーセージは脂肪分の少ない豚肉のみを使い、スパイス等で味を整えた後薄い羊腸に詰め、伝統ある燻製方法で燻煙をかけて作られます。

フランクフルトでのソーセージ製造の歴史は古く、正確な製造開始年月は判明されてはいませんが、中世13世紀にはここフランクフルトで、ソーセージが製造されていたという記述が残っていることから、それ以前にはすでにソーセージが作られていたと考えられています。ただし「フランクフルター」という名前がついたのはずっと後になってからです。フランクフルトソーセージは、湯の中で8分ほど茹でて、マスタードをつけて指で持って食べるのがおいしい食べ方とされています。茹でる時は決して湯を沸騰させないようにご注意ください。ほんの弱火で湯の温度が下がらないようにしておくのがコツです。ぐらぐらと沸かすとせっかくのソーセージが縦に割れてしまって、肉のうまみが出てしまいます。またソーセージ自体にすが入って台無しになってしまいます。このフランクフルターをスープ等の具として調理して食べる料理もあります。

Käse -チーズ-
Handkäs mit Musik / ハントケース・ミット・ムジーク

Handkäs / ハントケースはHandkäse / ハントケーゼのことでSauermilchkäse / ザウアーミルヒケーゼ(クワルクチーズ)に属するチーズの一つで、丸く小さいドイツチーズのスペシャリティーです。このザウアーミルヒケーゼはドイツで好んで食されるチーズでいくつもの地方で作られています。その種類にはヘッセン州特にフランクフルト近郊のハントケーゼ、ハルツ地方のHarzer Käse / ハルツァー・ケーゼ、マインツ近郊のMainzer Käse / マインツァー・ケーゼ、さらにはBauernhandkäse / バウアン・ハントケーゼやKorbkäse / コルプ・ケーゼなどがあります。「ハントケース・ミット・ムジーク」はフランクフルト近郊で、アップルワインあるいはビールを飲むときに、一緒に食されるこの地方のスペシャリティーの一品です。ハントケーゼをみじん切りにした玉ネギとクミンシードの入ったドレッシングに漬け込み、パンの上にのせて食べる料理です。「ハントケース・ミット・ムジーク」を直訳すると「ハントケーゼ、音楽と一緒に」ということになりますが、ここで言うMusik(音楽)は酢とオイル、玉ネギのことを表していて、これはヘッセンでの地域独特の表現方法のようです。ではどうしてMusik(音楽)が、酢、オイル、玉ネギなのかについては諸説いろいろあります。例えば、以前はハントケーゼにかける酢と油を別々の瓶に入れてハントケーゼといっしょに食卓へ出し、皿の上でかける時に瓶がぶつかって音を奏でたからという説もあります。ハントケース・ミット・ムジークは、新しいチーズのおいしさを発見できる一品です。

終着
6回にわたりドイツのおいしい味をさがして、各州、各地方をご案内、それぞれの地方にあるいろいろな特産品や名物料理をご紹介してまいりました。ドイツの飲食料品は安全で高品質であることは広く知られていますが、そのうえに比類のないバラエティーで消費者の食生活を支えています。きっと皆様にもドイツのスペシャリティーの多彩さをおわかりいただけたことと思います。

「食の旅」でご紹介しましたドイツのおいしい味は数あるドイツのスペシャリティーのほんの一部でしかありません。残念ながら今回ご紹介できませんでしたドイツ各地方の特産品や名物、そして伝統料理につきましてはまた次の機会にご紹介させていただきたいと願っています。長らくのご同行ありがとうございました。

参照