
ドイツのクリスマス料理は地域・地方によって様々で、鯉やウナギを調理して食べる地域や、ヴルスト(ソーセージ)を食べる地域もあります。ただし一般的にクリスマス食卓にに最も多くのぼるメニューは、ゲンゼ・ブラーテン(Gänsebraten)あるいはエンテン・ブラーテン(Entenbraten)と言われる、家禽をローストにした料理です。ゲンゼ(Gänse、単数:ガンス=Gans)はガチョウのことを、エンテン(Enten、単数:エンテ=Ente)は鴨、家鴨のことを言います。どちらもドイツでは一年を通して大変好んで食されている家禽ですが、特に祝い事の際にはフェスト・メニュー(Festmenü=祝宴、パーティー料理)のメインとして、しばしば食卓に並びます。
因みに、ドイツでの食生活についてのアンケートによると、「どちらかと言うとガンス(ガチョウ)の方を好む」人が67%、「どちらかと言うとエンテ(鴨)を好む」人は33%と言う数字が出ています。ガンス(ガチョウ)の方が人気があるようですね。またガンスの食べ頃が伝統的に11月の聖マルティン祭(11日)の前後から始まることから、聖マルティン祭にはゲンゼ・ブラーテン(ガチョウのロースト)を、そしてクリスマスにはエンテン・ブラーテン(鴨のロースト)を食するといった家庭も多く見られるようです。いずれにしてもこの両家禽はドイツではクリスマスシーズンには欠かすことのできない食材です。
このようにドイツで愛されているガンス(ガチョウ)とエンテ(鴨)、その調理の仕方にも多くのバリエーションがあり、地方によって、さらにはそれぞれの家庭にその家独特の調理方法があると言っても過言ではないでしょう。前述のアンケートでは、回答者の50%以上が、ガンス(ガチョウ)は腹の中に詰め物をして調理したものを好むと出ています。特にアップルを含めたフルーツ類が最も好まれているようです。
ゲンゼ・ブラーテンあるいはエンテン・ブラーテンはドイツのデリカテッセンの一つとして、そしてドイツ伝統の料理として日々、人々の楽しみや喜びを分かち合う席に登場する料理となっています。
それでは、ここで基本的なエンテ(鴨)のローストを一品ご紹介しましょう。
鴨のロースト、リンゴ・芽キャベツ・マロン詰め (Ganze gefüllte Ente)
■材料:
若鴨(1.8kg前後のもの)1羽、ハチミツ大さじ1〜2、なたね油大さじ3、塩、胡椒、
詰め物:リンゴ(酸味のあるもの)2個、栗200g、芽キャベツ125g、マジョラム小さじ1/2、塩、胡椒
■作り方:
- 芽キャベツは水洗いし白い固い部分を薄く切り落とし、10分ほど塩茹でにします。茹で上がったら、ザルに取り、水気を切っておきます。栗は十字に切り込みを入れ、225℃のオーブンで10~15分焼き、果皮と渋皮をむきます。リンゴは4等分にして皮をむき、芯と種を取り、食べやすい大きさに切ります。これらに塩、胡椒で味をつけて、詰め物の出来上がりです。
- 鴨全体に塩、胡椒をして、お腹の中にリンゴと栗、芽キャベツの詰め物を詰め、調理用糸で口を縫い、留めます。
- オーブン使用が可能なキャセロール鍋あるいはシチューパンを用意し、この中になたね油を入れ、鴨を背中を上にして入れます。これを225℃のオーブンでまずは40分、時々肉汁をスプーンでかけながら焼きます。上面がキツネ色になったら鴨を返し、さらに40〜50分焼きます。この間も肉汁を時々かけながら焼きます。最後の15分ほどは、ハチミツを少量の水でのばしたものをハケで塗りながら焼いて、皮をパリっとした焼き上がりにします。金串をさして焼き上がりを確認して出来上がりです。
「ドイツ料理のレシピ」コーナーでも、以前にクリスマス料理として鶏肉を使った「ローストチキン・アップルとチェリー詰め」をご紹介しております。鴨のローストと合わせて一度お試しください。