さて、このように厳しい管理のもと製造されているドイツのバターが、最高の品質と味を消費者に提供していることはご理解いただけたことと思います。ドイツ人一人当たりのバター年間消費量が6kgを超えていることもうなずける結果です。
ドイツではバターはパンに塗って食べたり、塩茹でしたアツアツのジャガイモにのせて、あるいは茹でたホワイト・アスパラガスにのせて溶かしてソースとして楽しんだりと、バターそのものの味と食材の味を楽しむシンプルな食べ方をはじめとして、調理の際の油脂として、また料理のコクを出すための調味料としてなど、いろいろなシーンで活躍しています。
ここからは、バターを使ったレシピの幾つかを皆様にご紹介しましょう。尚、ここで使用していますバターはドイツの一般的バターで、食塩不使用バターとなります。いわゆる「無塩バター」です。日本では、逆に食塩が添加されたものが一般的となっていますので、ご注意ください。
オレンジ・バター(Orangenbutter)
■材料:
バター150g、オレンジ(ワックス処理されていないもの)1個、砂糖大さじ2
■作り方:
1) バターは室温に戻して柔らかくしておきます。オレンジは水洗いをして、皮を表面のみ薄くすり下ろします。これを2等分に切って、ジュースを大さじ1杯分絞っておきましょう。
2) バターをボールに入れ、すり下ろしたオレンジの皮、大さじ1杯のオレンジの絞り汁、砂糖を加えて練ります。バターが練り上がったら広口の器に入れ、冷蔵庫で冷やして出来上がりです。
簡単にできて、オレンジの香りがとてもお洒落なバターです。ソテーしたホワイト・アスパラガスの付け合せに、あるいはブリオッシュやミルクパンに薄く塗ってお楽しみください。
ハニー・マスタード・バター(Honig-Senf-Butter)
■材料:
発酵バター250g、ディジョン・マスタード小さじ4(すり切り)、ハチミツ小さじ4
■作り方:
室温に戻して柔らかくなった発酵バターにディジョン・マスタードとハチミツを混ぜ、よく練り合わせます。これを冷蔵庫で一日固まらせて出来上がりです。
このハニー・マスタード・バターは特にチキンなどの家禽肉に、あるいはハムやサーモンのサンドイッチなどと相性の良いバターです。是非一度お試しください。
ストロベリー・バター(Erdbeerbutter)
■材料:
バター60g、ハチミツ大さじ1、レモンの絞り汁大さじ1、胡椒少々、イチゴ100g、パン4枚あるいはブロートヒェン(小型パン)4個
■作り方:
バター、ハチミツ、レモンの絞り汁をホイッパーで泡立てるように、混ぜ合わせ、胡椒で味を調えます。飾り用にイチゴ1個をナイフで薄めにスライスしておき、残りのイチゴはザルに通して漉し、先のバターに混ぜ合わせます。
このストロベリー・バターをパンあるいはブロートヒェン(小型パン)に塗り、スライスしておいたイチゴを飾り、出来上がりです。春の香りがいっぱいのバターをお楽しみください。
チャイブ・バターソース(Schnittlauchsauce)
■材料:
バター120g、マスタード(粒原形のもの)小さじ2、生クリーム500ml、塩・胡椒適量、レモンの絞り汁小さじ4、チャイブ1束
■作り方:
1) マスタード(粒の原形のもの)小さじ1をすり鉢であたり、小鍋に入れます。ここへ大さじ3の水を加え、5分ほど煮て、ザルで漉します。
2) これをまた鍋に入れ、生クリーム、残りの粒原形マスタードを加えて約15分煮ます。鍋を火から下ろし、ホイッパーでかき混ぜながら、小さく切ったバターを徐々に加えていきます。この時バターは冷たくしておきましょう。塩、胡椒、レモンの絞り汁を加えて、味を調えます。食卓へ供する前に小口切りにしたチャイブを最後に加えて完成です。
いろいろな料理に合うバター・ソースです。塩茹でのジャガイモやその他の茹で野菜に、またチキンやサーモンのソテーなどにいかがでしょうか。お好みのお料理のお供に是非お試しください。
ほうれん草ライスとサイコロ・ベーコンのトルテ(Spinat-Reis-Torte mit würzigen Bauchspeckwürfeln)
■材料:
生地:
薄力粉300g、卵2個、塩小さじ1/2、バター(冷たくしたもの)150g
詰め物:
ほうれん草(葉の部分)1kg、スープストック1リットル、玉ネギ1個、ニンニク1片、バター75g、米350g、卵2個、ハードチーズ(エメンタールチーズ等)60g、生クリーム50ml、塩、胡椒、ナツメグ適量、ベーコン(スモークの効いたもの)150g
■作り方:
1) ふるった薄力粉をボールに入れ、卵、塩、冷やしたバターを加えてよく練り、生地を作ります。この時バターは小さく切ってから加えると、粉と馴染みやすく、練りやすいでしょう。最後に丸くしてラップに包んで冷蔵庫で休ませます。
2) ほうれん草は根の部分を少し長めに切り落とし、茎の上部から葉の部分を使います。これをよく水洗いして、塩を加えた湯の中でさっと湯がき、ザルに上げてよく水分を切ります。水気を絞った後、端から細かく切っておきます。
3) 米は洗ってザルに上げ、水気を切っておきましょう。
4) 鍋にバターを溶かし、細かくみじん切りにした玉ネギとニンニクを、透明になるまでよく炒めます。そこへ、細かく切ったほうれん草と米を加え、全体に混ぜ合わせてバターを馴染ませます。ここへ熱くしたスープストックを適量そそぎいれ、弱火で静かに煮ます。水分がなくなってきたら、さらにスープストックを加え入れ、かき混ぜます。これを数回繰り返し、最終的にスープ全量が入り、米がアルデンテに炊き上がったら出来上がりです。この時ライスが水っぽくなく、サラッと炊き上がっていることが理想的です。尚、オリジナルのレシピでは1リットルのスープストックを指定していますが、日本米の場合は800〜900mlが適量と思われます。米の堅さを見ながらスープを加えてください。
5) 大きいボールに卵、チーズおろし器でおろしたハードチーズ、生クリーム、塩、胡椒そしてナツメグ少々を入れ、よく混ぜ合わせます。ここへほうれん草ライスを加え合わせ、味を調えます。チーズ・クリーム液にライスを加える際は、ライスを少し冷ましてから少しずつ入れましょう。
6) 打ち粉をした台の上に生地を取り出し、麺棒で伸ばして、底取りのできるケーキ型(直径28cm前後)に敷き込みます。そこへ5)のほうれん草ライスを入れ、上から細かくさいの目に切ったベーコンをのせます。
7) 予熱をかけたオーブン中段、200℃で約30分焼きます。上のベーコンがキツネ色になったら出来上がりです。
尚、オーブンから取り出す際には必ず、生地に火が通っているか確認しましょう。ベーコンがカリカリになっても、生地が生のようでしたら、オーブンの温度を調節してください。
ボリューム満点のトルテです。昼食や夜食、あるいはお友達が集まるパーティーなどでお楽しみください。
今回の「ドイツ料理のレシピ」コーナーでは、バターを使ったドイツでとても好まれているお菓子、ブッター・クーヘン(Butterkuchen)とシュトロイゼル・クーヘン(Streuselkuchen)の仲間をご紹介しています。ブッター ・クーヘンとはバター・ケーキと言う意味ですが、イースト菌を使った生地で作りますので、菓子パンに近いものと言っても良いかもしれません。またシュトロイゼル・クーヘンのシュトロイゼル(Streusel)とは、「上にかけるもの」と言う意味で、シュトロイゼル・クーヘンはケーキの上にそぼろ状にした生地をかけて焼いたものです。
この2種類のケーキはドイツの家庭でホームメイドケーキの一品として、さらには多くのコンディトライ(Konditorei:ケーキ屋)やベッカライ(Bäckerei:ベーカリ−、パン屋)の定番商品とも言えるもので、家庭や地方によって、またお店によって様々なバリエーションがあります。どちらも美味しいお菓子です。是非一度お試しください。
|