以下の図はEU各国の2007年における国産豚肉の生産量(枝肉ベース)を示したものです。ドイツの豚肉生産量は前年を5%上回る454万トンで、EU域内第1位となっています。第2位のスペインと比べても100万トン近い開きがあります。
EU各国の豚肉国内生産量(2007年)

注:枝肉ベース(内臓を取り除き、背骨から2つに切り分けた状態を指す)。統計出典:ZMP(暫定値)
世界的にみても、ドイツは世界有数の豚肉生産国と言えます。FAO・国際連合食糧農業機関の発表によると、世界最大の豚肉生産国かつ消費国は中国で、2006年の豚肉生産量は約5,290万トンにのぼり、第2位のアメリカの956万トンを大きく引き離しています。そしてドイツが世界第3位に位置し、スペインが第4位、次にブラジルの283万トンと続きます。因みに、同年の日本の豚肉国内生産量は約125万トンでした(出典:農林水産省)。
ドイツの豚肉需給事情について、もう少し詳しく示したのが次の表です。2007年におけるドイツの豚肉の純生産量(国内生産−輸出+輸入)は498.5万トンにのぼり、2002年の411.0万トンに比べて21.2%増加しています。純生産量(Nettoerzeugung)とは、国産の豚をと畜して生産する豚肉国内生産量(Bruttoeigenerzeugung)に、肉豚として輸入した生きた豚や子豚の重量をプラスし、また同様の目的でドイツから輸出した豚の重量をマイナスして算出する生産量(枝肉ベース)のことを言います。
さらに、外国で処理され、枝肉の状態で輸入される豚肉、同様にドイツ国内で枝肉に処理されてから輸出される豚肉の量や、さまざまな豚肉加工品(ハムやベーコン、サラミやソーセージ、それらの瓶・缶詰製品など)の輸出入を枝肉重量に換算して算出されるのが、ドイツ国内で供給される豚肉の数量、いわゆる消費仕向量です。近年は豚肉および豚肉加工品の輸出が好調で、2002年の74.2万トンから156.8万トンへとほぼ倍増し、純生産量の増加分の殆どが輸出に振り向けられています。そのため、2007年のドイツ国内における豚肉消費仕向量は457.9万トンと、2002年に比べて2.8%の伸びに留まっています。
ドイツにおける豚肉の供給量
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2002年
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2006年
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2007年
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豚肉国内生産量
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3,995
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4,321
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4,540
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生豚および生子豚
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輸入 (+)
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199
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405
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510
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輸出 (-)
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84
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64
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65
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豚肉純生産量(総生産量)
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4,110
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4,662
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4,985
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豚肉および豚肉加工品 1)
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在庫増減数(-)
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0
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0
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13
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輸入 (+)
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1,087
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1,109
|
1,174
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輸出 (-)
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742
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1,288
|
1,568
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豚肉消費仕向量
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4,456
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4,484
|
4,579
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一人当たりの年間消費量・粗食料ベース 単位:kg
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56.9
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54.5
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55.7
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一人当たりの年間消費量・純食料ベース 単位:kg
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41.0
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39.3
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40.1
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単位:1,000トン、統計出典:ZMP / 2007年度数値は暫定値
1) 食肉加工品は枝肉重量換算値
ドイツでは、豚肉の自給率は99.2%にのぼり、一人当たりの年間消費量は粗食料ベースで55.7kg、純食料ベースで40.1kgとなっています。粗食料ベースでの消費量とは、枝肉をベースにして算出したもので、この中には骨や飼料用となる部分、減耗される量なども含まれています。それに対して純食料ベースで算出したものは、私たちの口に入る状態(Menschlicher Verzehr)になった肉の量をベースに算出しています。
因みに、ドイツ人一人当たりが年間に消費する肉および肉加工品の量は全体で約90kg(粗食料ベース)で、このうち、豚肉及び加工品の消費量は55.7kg、肉全体の実に62%を占めています。いかに、豚肉やソーセージなどが好きか、お分かりいただけると思います。因みに、日本人一人あたりの豚肉消費量は粗食料ベースで18.9kg、純食料ベースで10kgとなっています(統計出典:農林水産省)。
さて、次に豚肉の貿易統計をご紹介いたしましょう。下の表から明らかなように、2007年にドイツは111万トンの豚肉および豚肉加工品を輸入する一方、176万トンを輸出しています(いずれも製品重量ベース)。輸入相手国としてはベルギー/ルクセンブルグ(34.4万トン)、デンマーク(30.2万トン)、オランダ(18.9万トン)が上位に位置し、EU諸国がその殆ど(98.8%)を占めています。輸出相手国でもイタリア(31.1万トン)、オランダ(24.6万トン)、イギリス(15.3万トン)など、EU諸国のシェアが合計81.9%とかなり高いものの、最近はロシアや香港など、域外輸出も増加しています。なお、2007年の日本向け輸出は加熱処理された豚肉加工品213トンに限定されていましたが、輸出再開とともに、今後大きく伸びることが期待されます。
ドイツの豚肉および豚肉加工品の輸出入(国別、2007年)
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輸 入
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EU (小計)
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1,098,793
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98.8%
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ベルギー/ルクセンブルク
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344,346
|
31.0%
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デンマーク
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301,972
|
27.1%
|
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オランダ
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189,267
|
17.0%
|
|
スペイン
|
73,428
|
6.6%
|
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イタリア
|
39,467
|
3.5%
|
|
フランス
|
34,708
|
3.1%
|
|
オーストリア
|
31,675
|
2.8%
|
|
その他のEU諸国
|
83,930
|
7.5%
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EU以外 (小計)
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13,558
|
1.2%
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合 計
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1,112,351
|
100.0%
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輸 出
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EU (小計)
|
1,442,688
|
81.9%
|
|
イタリア
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310,577
|
17.6%
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|
オランダ
|
245,757
|
14.0%
|
|
イギリス
|
152,759
|
8.7%
|
|
オーストリア
|
118,221
|
6.7%
|
|
デンマーク
|
85,821
|
4.9%
|
|
フランス
|
83,337
|
4.7%
|
|
ポーランド
|
68,973
|
3.9%
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その他のEU諸国
|
377,243
|
21.4%
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|
EU以外 (小計)
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318,741
|
18.1%
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|
ロシア
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151,236
|
8.6%
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|
香港
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88,166
|
5.0%
|
|
その他
|
79,339
|
4.5%
|
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合 計
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1,761,428
|
100.0%
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出典:ZMP、単位:トン(製品重量ベース)
2006年までの貿易統計は枝肉ベースで算出されていましたので、2007年との比較はできませんが、近年、ドイツ産の豚肉および豚肉加工品の輸出量は明らかな増加傾向を示しています。EU諸国への輸出量は2003年から2006年の間に約65万トンから約108万トンに増加し、EU諸国以外のその他の国への輸出も13.6万トンから21.2万トンと着実な伸びを見せています。
尚、金額ベースでは、BMELV(ドイツ食糧農林消費者保護省)発表の資料によると、2006年のドイツにおける豚肉および豚肉加工品の輸入高は約23億ユーロ、輸出高は約30億ユーロとなっています。
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