ドイツの食材
アスパラガス SPARGEL

地元産のアスパラガス
「どこの地域のアスパラガスが一番おいしいか」という質問に対する答えは、ドイツでは昔から意見が分かれ論争の種となっています。北バーデン地方・シュベッツィンゲンの人たちは地元のものが然り、シュローベンハウゼンの人たちは南バイエルンが然り、また北ドイツではブラウンシュヴァイク、ハノーヴァー、ウルツェンのアスパラガスを高く評価しており、さらにチューリンゲンではウンシュトルート・ハイニッヒ・クライスのアスパラガスが一番と考えています。地元産のものが一番と言うわけです。

ただ誰もが口をそろえて言うことは「アスパラガスのシーズンは、ドイツの食通をうならせる至福の季節の一つだ」ということです。

アスパラガスの収穫
アスパラガスは地中温が約12℃になるとゆっくりと成長をはじめ温度が上昇するに従い、成長の速度を速めて行きます。そしてアスパラガスが地中から盛り土を持ち上げて、土の上にひび割れが見えるようになるといよいよ収穫到来となります。アスパラガスは先端部分が地上に出ないうちに1本ずつ丁寧に根元から手で摘まれていきます。

地域やその年の天候にも左右されますが、アスパラガスの収穫期は4月上旬から下旬にかけてはじまり、約2ヶ月間ぐらいとされています。昔からアスパラガス栽培農家では「サクランボが赤く色づくと、アスパラガスの季節は終わりになる」と言われ、6月24日の聖ヨハネ祭には収穫が終わりとなります。ただ現在では来期の収穫量を考慮して、苗を休眠させる為に、それよりもはやい時期に収穫を終わりにする農家が多くなっています。

2003年度のドイツ国内でのアスパラガス収穫量は65,000トン以上にのぼり自給率は約66%、ドイツ人一人あたりの年間消費量は平均1.4kgでした。(統計出典: ZMP/BONN)

アスパラガスの歴史
アスパラガスの歴史は古く、古代ギリシャ・ローマ時代にはすでに特別な食材とされていました。時代をさらにさかのぼり5000年以上前の古代エジプト王朝のころには、その王・パラオンたちにアスパラガスを高級料理として食卓に供した様子が、ピラミッドの壁画やフレスコ画に描かれています。当時は緑色で草の茎ほどの細い野生種のアスパラガスを食していたとされており、栽培されるようになったのは紀元前200年頃ローマ時代になってからのことです。そのころには、アスパラガスも草の茎ほどの細さではなくなり、太いものになっていましたが、まだ緑色のアスパラガスが食べられていました。

今日私たちが知っているホワイトアスパラガスが栽培されるようになったのは、もっとずっと後になってからのことです。

アスパラガスはローマ時代、上流階級の人々に珍重された野菜であったと文献にも記されています。

ドイツでアスパラガスが栽培されるようになったのは16世紀になってからのことで、今日では誰でもが食べられるアスパラガスですが、当時は裕福な人たちだけが味うことのできた食材でした。

グリーンかホワイト
18世紀末になるとアスパラガスの栽培方法は、日光を遮断し盛り土の中で生育させる方法に変化し、白色種アスパラガスがつくられるようになりました。グリーンアスパラガス(緑色種)は地上でたくさんの日光を浴び成長することにより、葉緑素を形成し茎が緑となるのです。

グリーンアスパラガスはホワイトアスパラガスより力強い味を持ち、葉緑素があることにより、ビタミンCとカロチンを多く含みます。また、皮もホワイトアスパラガスは先端から根元まで全部をむくのに対して、グリーンアスパラガスは根元近くの部分のみをむきます。茹で時間もホワイトアスパラガスより短時間ですみ、ホワイトアスパラガスの料理のほとんどがグリーンアスパラガスでも調理することができます。

色を特に前につけず「アスパラガス Spargel」と言えば、ドイツでは「ホワイトアスパラガス」のことを、日本ではご承知のように、「グリーンアスパラガス」のことを一般に意味しています。

新鮮さが命
グリーンにしても、ホワイトにしても、アスパラガスは新鮮さが命で、一番おいしいのは収穫したその日のうちに食べることです。購入の際には次のような点にご注意の上、新鮮なものをお選びください。

茎皮がしっかりと張り艶のあるもの、根元がなめらかで湿っており、先端が蕾まっているもの。

ホワイトアスパラガスの基本的な調理方法は「アスパラガス・調理一口メモ」でご紹介しておりますので、ご参考ください。

ホワイトアスパラガスをご賞味ください
溶かしバターとジャガイモを添えて、さらにお好みでハムと一緒に食べるのがホワイトアスパラガスを簡単においしく食べる典型的な方法です。牛ヒレ肉や豚肉そして他の春野菜とも相性はよく、またブルーチーズをのせてオーブンで調理しても、おいしい味をお楽しみいただけます。様々な食材と相性の良いホワイトアスパラガスですが、付け合わせのものにけっしてホワイトアスパラガス本来の味が邪魔されないようにご注意ください。

ドイツ料理のレシピにてホワイトアスパラガスのレシピをご紹介しておりますので、お試しください。

参照